本記事では、「2人用での仕様アイディアを検討」という記事で記述した、可変式の2段ベッドの実現可能性について掘り下げて考えてみます。
なめくじが構想している可変式2段ベッドが頭の中にあるのですが、調べた限りで似たタイプはハイエース(ハイルーフ)での事例しか見つけられませんでした。
エブリイでの可変式2段ベッド自作に成功すれば、少なくともネットに転がっている情報としてはおそらく初なので頑張って考えてみます。
諦めて失踪する可能性もありますので、関連記事が上がらなくなったら察してください。
可変式2段ベッドとは
まずはイメージの共有です。
現時点で想定している可変式2段ベッドは、以下の特徴を有します。
- 上下2段のベッド+できればベッド下に収納空間を確保
- 2段目天板を”跳ね下げ”してソファ状態へ可変
- 天板サイズの最高目標は190cm×65cmのマットを入れること
- 最低目標は180cm×55cmのスペース
- 高さは1人当たり50cm以上を確保したい
- 2分割式で、接続解除すればリアシートを復元可能
- 耐荷重を考慮しつつなるべく軽い素材で製作
- 展開が面倒なギミックは極力避ける
2段目天板はソファのシートバックとなります
ハイエースでの製作例はリンエイプロダクト様の「バカンチェスプルマンD」で、キャンピングカーファン様の記事を見るとイメージしやすいです。
ベッドの寸法
国土交通省が規定するベッドの寸法は、以下の画像の通りです。
要件をクリアする必要はないのですが、一つの基準として見れば「長さ180cm×幅50cm×高さ50cm」が就寝スペースとしての最低条件とも考えられます。
長さ
リアシートをダイブダウンした状態でも、エブリイで長さ180cmを確保するのはかなりギリギリです。
特に問題となりそうなのはリアゲートを跳ね上げるダンパーで、実はコレ、エブリイでは荷室内に格納されています。
よってベッド2段目付近の高さではベッドフレームとダンパーが干渉しそうなため、何かしら逃げる工夫が必要となります。
分割式の半常設ベッドとして考えると、フロントシートを快適な着座位置にした状態で設置しなければいけないので、長さはかなり厳しいクリアランス調整が必要です。
場合によってはベッドを壁際より数cm離して(壁際にデッドスペースを作ることと同義)、ダンパーを避けつつ長さを確保する必要があります。
幅
エブリイの荷室で最も幅が狭くなるのはリアシート用のシートベルト格納部付近で、実寸では幅約120cmとなります。
つまりベッド幅+フリースペース幅=120cmという話で、どちらの幅を優先するかという議論になります。
フリースペースは通路・荷物置き・机設置などに使えます
先述の最低要件に則ればベッド幅50cm+フリースペース幅70cmとなりますが、ベッド幅50cmは就寝スペースとしては本当に最低限で窮屈感が否めません。
※幅50cmは公園とかにあるベンチで寝るようなイメージです
体格にもよりますが、なめくじ的には55cm以上を確保したいところです。
高さ
荷室床から最も高い天井部までは約120cmですので、単純に2人分で割れば1人当たり高さ60cmと十分です。
しかしその場合はベッド部分に全く収納スペースが無くなるため、車全体として見ると荷物の置き場所に困る可能性が高いです。
一方でベッド下に収納を作る場合は、1人当たりの高さは45〜50cmとなり、これも相当な圧迫感に繋がります。
ちなみに最低要件から外れる45cmに高さを設定すると、寝っ転がった状態で膝を十分に曲げることが不可能になります。
高さ50cmでも完璧に曲げるのはできませんがね…
寝返りを打つには肩幅+5cm程度の高さが必要で、50cmあれば大体OK、45cmだと体格が良い男性は不可能になります。
ベッドの位置
ベッドの位置はシンプルに運転席後方と助手席後方の2種類から選びます。
フロントシートの特性として、助手席はフルフラットまでリクライニングできますが、運転席は半分程度しか倒せないことに留意しなければいけません。
つまり運転席後方にベッドを配置して助手席をフルフラットにした場合、フリースペースが延長するメリットがある一方で、助手席を就寝時の荷物置きとして利用できなくなります。
助手席後方にベッドを配置した場合は逆で、フリースペースこそ延長しませんが、就寝時の荷物置きは確保できます。
最大の問題は「就寝時に使いがちなポタ電をどこに置くか」です
ちなみに真ん中にベッドを置く案は、ソファ状態でくつろげなくなるので却下です。
収納問題について
可変式2段ベッドはソファ状態での荷物置き場が極端に少なくなるため、ベッド下に収納が欲しいというのは先述したところです。
しかし荷室床〜天井までは高さ120cmしかないため、「50cmの高さ×2人分+収納20cm」とした場合は50cmという視覚的な圧迫感に耐えなければいけません。
枕で頭位置がさらに数cm上がりますし…
よって天板のサイズ弱ほどの面積はあるとはいえ、高さ20cmという使いにくい収納スペースを作る価値はあるのだろうかという悩みが出ます。
ベッド下収納ありのパターン
この場合は50cmという高さは我慢するとして、収納をまともに使うために引き出しだけではなく上からのアクセスルートも確保すべきでしょう。
つまり蓋のように天板を開口できるようなギミックを、しかも2分割で取り付ける必要があるということです。
ギミックの構想&製作が面倒なのと、方法次第では貴重な収納スペースをギミック部品でさらに狭めることになります。
ベッド下収納なしのパターン
最大60cmの快適な高さを確保できるのと引き換えに、更なる収納力低下を招きます。
対策としてはミニマリストよろしく荷物そのものを減らしてしまうことと、違う場所に収納スペースを確保することが挙げられます。
キャンピングカーでは天井のアールを生かしてそれなりのサイズの天井キャビネットを造作しますが、エブリイでそれを真似しても小物入れ程度の収納力しか確保できません。
あるいは頭上空間を諦めて大きい棚を作るかです
なにか良い方法はないのか…?
圧迫感は受け入れて45〜50cmの高さに設定するか、収納を諦めて55cm〜60cmにするかは難しい問題です。
なめくじの考えだけなら圧迫感を気にせず50cm程度で設定しますが、夫婦で車中泊をするので妻の「逆に疲れそう」という意見を尊重して検討します。
よって現時点では、「ベッド下収納を諦めて1人当たり60cmの高さを確保する」方向に考えています。
それでもマットや寝具の厚みを考慮すると実質55cm以下にはなるでしょうし…。
さてベッド下収納を諦めるのであれば、別に収納スペースを確保しなければいけません。
最後に
本記事はとりあえずここまでで一旦終了します。
次回記事は、「どうやって収納空間を捻り出すのか」について考えてみる予定です。
気になる方はどうぞチェックしてくださいね!
ではまた次の記事でお会いしましょう