エブリイ5AGSは乗りにくい?!現役オーナーがその是非と快適な運転方法を解説

雑記

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エブリイ5AGSが気になるけど乗りにくいと聞いて躊躇っている、もしくは実際に乗りにくいと感じている皆さんこんにちは。

5AGS(HBD-DA17V、2018年式)ユーザーのなめくじです。

本記事では5AGSの是非と快適な運転方法の一例について現役オーナーが紹介します。

5AGSは特殊なトランスミッションであり、正直に言えば向き不向きがあります。

車は決して安くない買い物です。

これから買う方はしっかり記事を読んで後悔のない購入を、すでに所有している方は運転をより快適にしてくださいね。

ちなみになめくじは整備士でも、自分で走りをカスタムするような玄人でもないことは予めご了承くださいね。

エブリイ全体のインプレッションを知りたい方は、先にこちらの記事を読んでくださいね。

キャンプ・車中泊3年目、30代夫婦の夫のほうです。

夫婦キャンプや車中泊の楽しさを発信して、「始めてみようかな」という方たちが増えるといいなと思っています。

下の楽天ルーム(R)ではお勧めギアを紹介してますので、興味があれば覗いてみてください!

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結論

  • 5AGSはAT限定免許でも運転できる
  • 5AGSはクセが強く、人によって向き不向きがはっきり分かれる
  • 独特の運転特性を理解すれば快適に運転できる
  • Nレンジ使用の運転方法は自己責任でどうぞ

5AGSとは

5AGS(5Auto Gear Shift)とは簡単に言うと「電子制御式の5速マニュアル車」です。

大切なのでもう一度言いますが、5AGSはマニュアル車です。

さて本来マニュアル車(以下、MT車 )は左手と左足の同時操作でシフトチェンジします。

しかし5AGSではオートマ車(以下、AT車)のようにシフトチェンジ操作無し(Dモード)または左手操作(Mモード)のみとなります。。

なめくじ
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MT車の運転経験が無ければDモード推奨です

また走る仕組みがMT車であっても、クラッチペダルが無いためAT限定免許で運転できます。

そしてクラッチ操作などが自動制御されるため、MT車と違ってエンストが起こりません。

このように理想的に思える5AGSの制御系ですが、実はこれこそが「5AGSが乗りにくい」と言われてしまう理由です。

5AGSの是非について

まずはオーナーとして、5AGSの是非についての見解を述べます。

  • クセが強い
  • 合う人にとっては優秀

冒頭にお伝えした通り、なめくじは「5AGSは向き不向きがある」と考えています。

例えばATやCVTと同じ乗り味を求める方や、運転操作を試行錯誤をしたくない方には向いていません。

一方で特性を理解して生かす運転ができたり、後述のメリットによる恩恵が大きい方にとっては良いトランスミッションと言えます。

少なくともなめくじは5AGSを選んで正解だったと思っていますし、購入から2年以上経った今でも快適に運転できています。

なめくじ
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通勤・買い物・車中泊・キャンプとマルチに活躍中です

※なめくじがエブリイ5AGSを選んだ理由を知りたい方は以下の記事をお読みください

5AGSのメリットとデメリット

次に5AGSのメリットとデメリットを具体的に紹介します。

メリット

  • 高積載時や登坂時でも力強さがある
  • 渋滞時ではMT車よりも運転が楽
  • AT限定免許の家族でも運転できる
  • 4AT車よりも燃費が良い
  • 4AT車より車両価格が安い
  • 運転が楽しい

5AGSは発進〜中速域に力強さがあり、荷物を多く積んでいてもスムーズに加速してくれます。

軽貨物運送は当然として、車中泊やキャンプ、アウトドア用など幅広く活躍してくれることでしょう。

なめくじ
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軽キャンピングカーのベースにも適してます

またグイグイ登れるので、山や坂道が多い街にお住まいの方にもおすすめです。

デメリット

  • 運転特性のクセが強い
  • 出だしが遅い
  • 5MT車よりも燃費が悪い
  • 5MT車より車両価格が高い
  • AGSアクチュエーターが壊れると修理費が高い

燃費や車両価格については多少変わるという程度で、決め手になるほど大きいメリットでもデメリットでもありません。

AGSアクチュエーター(電子制御の心臓部)の修理費が高い(らしい)のは明確なデメリットですが…。

やはりほとんどの人にとっては、運転特性のクセを理解して扱えるかが課題でしょう。

なめくじ
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理解しなくても運転自体はできますが…

ここが5AGSの面白さや有用性であると同時に、向き不向きが分かれる最大のポイントでもあります。

5AGSの運転特性について

そんな5AGSのクセ強な運転特性について説明します。

  • 運転モードは2種類(DモードとMモード)
  • 簡単だけど快適性に欠けるDモード
  • 難しいけど快適性が高いMモード
  • 1速を使う機会はほぼない=実質4段ギア
  • 出だしが遅い
  • 高積載時でもちゃんと走る

Dモードについて

全て自動でシフトチェンジが行われるDモードの運転方法は、AT車やCVT車と全く同じです。

利点は「運転の楽さ」と「誰でも運転できること」、欠点は「シフトショックの大きさ」と「燃費の悪化」です。

※欠点に関してはアクセルワークの最適化によって”ある程度”は回避できます

またDモードで急勾配を登坂する際は、2速⇄3速で頻繁に切り替わりガックンガックンします。

Mモードについて

Mモードはシフトアップが手動、シフトダウンが自動(手動も可)の運転操作です。

よって一般的なAT車やCVT車の運転経験しかない方はシフト操作の練習が必要です。

またMT車の運転経験があればすぐに操作自体には慣れますが、習熟するにはやはり練習が必要です。

利点は「燃費走行〜キビキビ走行まで自分で調節できること」と「快適な乗り味」です。

欠点は「操作の煩雑さ」と「 頑なに拒否感を示す人がいること」です。

ちなみにMモードは下り坂でエンジンブレーキを利かせたい時にも使用しますので、本当は操作できるようになったほうが安全です。

なめくじ
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CVT車みたいなLレンジBレンジはありません

1速について

1速はかなりローギアに設定されており、使うのは高積載状態での坂道発進や急峻な登坂時などに限られます。

よって多くの人にとっては5AGSは実質4段ギアとなります。

出だしについて

正直に言えば出だしはかなりモッサリしています。

また3速も割とローギアなので、30〜40km/hぐらいの速度に乗せるまでに思ったより時間がかかります。

なめくじ
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順当に加速するとトラックやバスの加速に近いです

もちろんアクセルを踏み込めばCVT車やコンパクトカーと遜色ない出だしにはなりますが燃費は悪化します。

高積載時でもちゃんと走る

5AGSは高貨物前提で設計されているので高積載時でもちゃんと走ります。

例えば荷物や乗員を多く乗せた登坂走行でも、適切なギアさえ選べば力強く走ることができます。

なめくじ
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これが大きな魅力の一つです

5AGSを快適に運転する方法

さて本記事2個目のテーマである、「5AGSの快適な運転方法」について紹介します。

なめくじ
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あくまで1ユーザーの運転例として受け止めてください

快適な運転のためなめくじが心掛けていることを順に解説していきます。

  1. Mモード主軸で運転する
  2. 出だしの遅さは割り切る
  3. 手動シフトアップの最適化
  4. シフトチェンジ時は一瞬アクセルオフ
  5. 右左折時はちゃんと2速まで落とす
  6. Nレンジの使用

なめくじも5AGS車を運転するのは初めてだったので、最初はかなりぎこちない乗り味でした。

しかし慣れた今では、同乗者が特に何も感じない程度にはスムーズに運転できています。

①Mモード主軸で運転する

なめくじはダラダラ続く渋滞以外はすべてMモードで運転しています。

なぜならDモードでは加速が滑らかにならず、またシフトショックを抑えきれないからです。

なめくじ
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運転を最適化できる方ならMモード推奨です

ただし先述した通り、滑らかに運転するには試行錯誤とそれなりの運転距離が必要です。

具体的なMモードでの運転方法について知りたい方は、下記記事も参考にしてください。

※ボリュームがあり過ぎてここでは紹介できません

②出だしの遅さは割り切る

出だしの遅さ問題ですが、ココはもう素直に諦めます。

なぜなら加速を重視して2速で引っ張ると燃費が悪化する上、エンジン音がうるさいのとシフトショックが起きやすくなるからです。

なのでなめくじは割り切って、トラックやバスのイメージで発進しています。

なめくじ
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だって貨物車なんですもの

③手動シフトアップの最適化

5AGSを快適に運転するには、手動シフトアップの最適化が重要です。

なめくじが普段している燃費重視の運転では、以下(平地条件、数字はメーター読み)のようにシフトアップしています。

  • 2速:停止〜22km/h
  • 3速:22〜36km/h
  • 4速:36〜42km/h
  • 5速:42km/h以上
なめくじ
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ね、MT車みたいでしょ

これは車重や年式、車の状態などで多少数値は前後すると思います。

これは全体的にエンジンが低回転で燃費と乗り心地が良い運転法なのですが、実はエンジンにとっては厳しい使い方となります。

よってこの乗り方をする場合は、月に1〜2度程度遠出でエンジンをしっかり回しましょう。

④シフトチェンジ時は一瞬アクセルオフ

5AGSの機構はMT車ですので、シフトチェンジ時にクラッチが再接続するまで、わずかなエンジンの空転時間ができます。

つまりアクセル踏みっぱなし運転ではエンジンが空転し、それによってギアとの回転数が合わなくなりシフトショックが出ます。

よってシフトチェンジ時はタイミングを見計らって一瞬だけアクセルオフし、クラッチが繋がった時点で再度アクセルを踏み直します。

このアクセルワークだけでもシフトショックをかなり減ります。

なめくじ
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煩雑な操作が苦手な方はこれだけ覚えるのでも全然違います

⑤右左折時は先に2速まで落とす

右左折時に自動シフトダウンに任せて減速していくと、曲がっている途中で3速から2速に落ちる場合がよくあります。

意図せずアクセルが数瞬反応しなかったり、ブレーキの効きが変わることで車体が揺れながらのギクシャクした曲がり方になります。

よって途中で2速に落ちる右左折では、曲がる直前で2速に手動シフトダウンした方が良い場合があります。

なめくじ
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慣れたらブレーキワークだけでもスムーズに曲がれたりします

⑥Nレンジの使用

Nレンジの使用とは、Nレンジに入れながらフットブレーキのみで減速〜停車する走行方法で、「コースティング」とも呼ばれます。

なめくじ
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賛否が分かれる運転方法です

NGとされることも多いのですが、一部のトラックや欧州車ではエコ機能として標準実装されたりするそうです。

具体的には停まる際にDレンジからNレンジにシフトを入れて、後はフットブレーキで止まるだけです。

滑らかな停車

5AGSでは急減速すると連続シフトダウンによりブレーキ力が一気に変わり、体が前方へ持ってかれます。

また同時にゴツゴツと振動するようなシフトショックを感じます。

一方でNレンジを使用すると、ACVT車よりも滑らかに定減速して停車できるようになります。

長い下り坂での減速は事故防止のために、必ずエンジンブレーキを効かせてください

燃費が改善する

車は本来、一定のアクセルオフやブレーキ時でのガソリンカット機能を備えています。

逆にNレンジでのエンジンはアイドリング状態で濃い目にガソリンを消費します。

よって本来はNレンジ使用での停車は燃費が悪化するはずなのですが、なめくじの実測データでは燃費が0.5km/L程度改善しています。

ちなみになめくじがNレンジに入れるのは停車予定の位置から5m程度手前で、以下の速度を目安にしています。

  • 5速走行時:自動シフトダウンで4速へ
  • 4速走行時:22km/h目安でNレンジへ
  • 3速走行時:20km/h目安でNレンジへ
  • 2速走行時:やる意味なし

手動シフトダウンをマスターした最近では、N-レンジ使用と手動を場面によって使い分けています。

Nレンジ使用の注意点

Nレンジを使用する運転には、以下のような注意点があります。

  1. やり方次第では燃費が悪化する
  2. Nレンジ時に追突されると車が吹っ飛ぶ
  3. シフトを戻し忘れると次の発進時に空ぶかしになる
  4. 下り坂ではフェード現象やベーパーロックが起きるのでNG
  5. ブレーキパッドの摩耗が早くなる
  6. シフト周り部品の劣化が早くなる
  7. 停止前の再加速が必要な時にクラッチに負荷を与える

①は慣れ、②や③は停車後すぐにシフトを入れ直す癖を付ければ回避できますし、④は運転手としての常識の問題です。

さてNレンジでの減速ですが、フットブレーキを多用する関係でブレーキパッドの摩耗が早くなと考えられます。

またMモードでのシフト操作にNレンジへの頻繁な操作を上乗せすると、シフト周りへの負荷が高まります。

耐久性を持たせて製造されているはずですが、それでもシフト周りの部品劣化は早まる恐れがあります。

最後にNレンジでの減速途中に再加速が必要になるシーンを考えます。

本来は自動/手動シフトダウンで減速すべきですが、実際の走行ではこういった誤算が起きます。

この場合はクラッチ周りにダメージが入らないようエンジンとギアの回転数差をイメージしながら、再度D/Mモードに入れるしかありません。

AT車でNレンジ使用運転はダメ

以上のNレンジを使用する運転方法は、5AGSがMT車ベースだから問題無い(と、なめくじが判断している)だけで、AT車やCVT車で行うと故障の原因となります。

今後AT車やCVT車を運転する方は決して真似しないでください。

簡単でそこそこ快適な運転方法

「こんな細かいことやってられないよ」「こんな運転を家族にさせるのは絶対無理」という方向けに、簡単でそれなりに快適な運転方法をお伝えします。

結論から言えばシンプルで、Dモード丁寧に運転しましょうということです。

5AGSの自動シフトアップはMT車の運転に不慣れな人が操作しているような感覚です。

一方で自動シフトダウンはそれなりに優秀で、完全に任せてしまっても大丈夫です。

穏やかな加速をと一瞬のアクセルオフさえ心がければシフトアップ時のシフトショックも小さくなり、それなりに快適な乗り味になります。

大切なのは乗り続けて5AGSのクセに慣れることです。

「そろそろシフトチェンジされるな」というタイミングさえ掴めれば、今まで感じていたぎこちなさが消えて運転が快適になりますよ。

5AGS購入の際には

今まで述べたように5AGSは独特のクセがあるため、本当は試乗してから購入したいところです。

ただし現行型では5AGSの設定が無くなってしまったので、試乗できる中古車屋を探す必要があります。

なめくじ
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本記事だけでイメージが掴めるといいのですが…

さて5AGSの中古車選びについて、補足的な説明をしていきます。

2速発進機能と年式などについて

現行型では2速発進機能が標準搭載されていますが、2015年7月以前に製造されたエブリイでは残念ながら装備されていません。

快適に運転する上で2速発進は必須機能なので、2速発進機能がない年式の5AGSはグレードによらず非推奨です。

またMT車の運転が好きで5MT車を購入できる環境の方には5MT車を推奨します。

エンジンオイルをマメに交換できる方であれば、5MTのターボが街乗り〜郊外使用では燃費と走りを両立していておすすめですよ。

※ターボ車は高速だと燃費が悪化するようです

ただしターボ車は繊細なので、中古車では今までの所有者がちゃんと整備していたのかという点でギャンブル性があることに注意が必要です。

タコメーターの有無について

中古のエブリイを探していると、年式によってタコメーターがあったりなかったりします。

5AGSにおけるタコメーターの必要性についてのなめくじ的見解は、「有ると嬉しいけどすぐ慣れるから要らない」です。

シフトアップのタイミング(回転数)については、1週間も運転すればエンジン音や速度などで判断できるようになります。

それでもどうしても欲しい方はタコメーター付きの新しめのエブリイを購入するか、社外品を後付けしましょう。

5AGSは良個体が安い

さてエブリイ5AGSは配送や現場仕事でも多く使われてきたため中古個体数が多く、その分程度が良くて安い個体が豊富です。

よって現行で廃止になったからこそ、コスパの良い買い物ができるでしょう。

またこういった商用車は買取車両数が多過ぎるため、大手中古車販売会社では中古車情報サイトへ未掲載となっている在庫があったりもします。

ご希望の条件を満たす5AGSが中々見つからない場合は、中古車販売会社へ一度問い合わせてみてはいかがでしょうか。

最後に

本記事の内容は、車好きの方以外にとってはちょっとマニアックで、理解しづらい部分があったかと思います。

また最初にお伝えした通り、なめくじ自身は車の素人なので、間違った知識が紛れ込んでいるかもしれません。

分からない点や疑問点については、ご自身で更に調べたり車に詳しい知り合い又はプロに聞いてみてください。

さて5AGSですが、とても面白いトランスミッションで、特性を理解して選べばおおいに価値があると考えています

「自分の使用環境や性格に向いていそうだな」と思ったら、どうぞ前向きに考えてみてくださいね。

またすでに5AGSを所有して「乗りにくいな」と思っている方は、なめくじの運転方法を一度試してみてはいかがでしょうか。

※Nレンジ使用の運転は自己責任でお願いします

もしかするとグッと快適に運転できるようになるかもしれませんよ。

こちらの記事でエブリイ全体のインプレッションを、こちらの記事ではMモードに特化した快適な運転の仕方をまとめていますので、興味がある方はどうぞお読みください。

なめくじ
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ではまた次の記事でお会いしましょう

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