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こんにちは、なめくじです。
2022年12月の頭に中古のエブリイ(HBD-DA17V、2型)を購入してそろそろ1年が経つので正直レビューをしてみたいと思います。
さて本記事に辿り着いた方は軽キャンピングカーや車中泊以外にも、仕事や日用使いなど様々な目的でエブリイの購入を考えているでしょう。
そんな皆様にとって参考になるように、素人ユーザー目線の一次情報をお届けしていきたいと思います。
特に5AGSというクセのあるミッションは非常に賛否が分かれますので、こちらの記事も別で読んでみてくださいね。
購入したエブリイについて
まずは購入したエブリイについての詳細です。
- スズキ エブリイ HBD-DA17V PCリミテッド ホワイト
- 6代目2型
- 2018年8月製造(4年落ち)
- 駆動:2WDの5AGS
- 走行距離:約78,000km
- 修復歴なし、内外装ともに大小の傷や凹みあり
- 乗り出し71.7万円(車を下取りしたので実質80万円前半)
見てお分かりの通り中古車を購入しています。
色んな部品に若干のヘタりが来ている可能性がありますので、それを差し引いてレビューを見てください。
バンタイプであって、エブリイワゴンではありません
エブリイについて
まずはエブリイについて軽く紹介します。
エブリイ(小さい”ィ”ではない!)はスズキが製造販売している軽商用バンで、初代から合わせて40年以上の歴史を持つ人気の車種です。
現行販売(2024.3時点)は6代目の6型となっています。
商用バンではありますが、一般使用であれば特別な購入手続きや特殊運転免許などは要りません。
”運送業”に使う場合は届出が必要です
エブリイ自体のインプレッション
エブリイのメリットは以下の通りです。
- 軽とは思えない積載性能
- 商用車としての安さ
- 人気でリセールが良い
- 維持費が安い
- ”軽バンの中では”燃費が良い
- 持病が少ない
- 運転席周りでの収納力の高さ
- 社内外のカスタムパーツが豊富
- DIYや改造の知見を調べやすい
他方、デメリットとしては以下が挙げられます。
- 出足が悪い
- 乗り心地が悪い
- うるさい
- 断熱性能が低い
- オーディオの音が悪い
- 風に煽られやすい
- リアシートが補助席レベルの性能
- ”軽自動車としては”燃費が悪い
- 内外装がチープ
- スライドドアを閉めるのに力が要る
- 衝突安全性がやや低い
皆さんが気になるであろうところから順に解説します。
積載性能について
エブリイの売りは荷室の広さと知っていてもなお、実際に目にすると圧倒されます。
リアシートがそのままでも十分に広いですし、ダイブダウンさせることで軽自動車どころか乗用車でも中々お目にかかれないレベルの荷室容量となります。
さすが軽貨物車といったところ
例えば下の画像はコストコ帰りの車内ですが、これだけ荷物を積んでも、なお余力があります。
通常の買い物で困ることは当然無いですし、大型家具や自転車、長尺物などなんでもござれです。
また4人乗員の状態であっても、コンパクトカーの2倍は荷物を積載できます。
そして軽キャンピングカーのベースとして大人気なだけあって、車中泊車としても非常に優秀です。
荷室底面がかなり低めで高さもあるので、下側や上側に収納を作ってもなお十分な居住性を確保できます。
最大でセミダブル(120*195cm)サイズの居住空間です
走行能力について
乗り心地
エブリイは荷物満載の状態で運転することを想定して作られているため足回りがかなり固く、路面の凹凸の衝撃がモロに響く車体となっています。
よって荒れた舗装路では凹凸の突き上げをゴツゴツ感じながら走ることになりますので、長時間の運転は疲れます。
オフロードは無理です、そういう車じゃないので
対策としては制振材を床面に貼ること、また車の知識がある方であればサスペンションの交換などがあります。
お勧めは制振材の施工で、詳細はデッドニング全般編を参考にしてください。
しっかりと制振材を施工することでボディ剛性が上がり、「ロールが少なく酔いにくい割に快適」という乗り心地に変わります。
また純正シートが平たいことから、カーブ時の遠心力で体が左右に振られやすい印象があります。
こちらの対策は、しっかり体を包み込むアールの付いたシートカバーを装着することになります。
エブリイの後部座席はJOIN以外のグレードでは座面や背もたれがバスの補助席のようにペラペラです。
またリクライニングもできませんので、ご家族3〜4人で遠出となるとちょっとしんどいかもしれません。
DIYで擬似リクライニング化することはできますが、シートベルトが正しく着用・作動できない場合は道路交通法違反となりますので注意してください。
JOINではリアシートの”あんこ”が増量&分割可倒式となっていますので快適性は上がりますが、エブリイワゴンと違ってリクライニングすることはできません。
すべてのグレードでリアシートも3点固定式シートベルトですので、チャイルドシートはシートベルト固定式ならば使えます。
エブリイワゴンならi-Size/ISOFIX式もいけます
高速走行
基本的にエブリイは高速走行には向いていません。
まず純正状態ではロードノイズや風切り音、エンジンの回転音がうるさく、会話をするのに割と大きめの声を出す必要があります。
また居眠り運転防止用のわずかな道路凹凸でも、速度が出ているためゴゴゴッというような突き上げ感があります。
※床面へのデッドニングをすれば気にならなくなります
また重心が高く軽バンとしては車重も軽いことから、橋での横風やトラックの風圧でハンドルが動きます。
高速走行に慣れている方でもちょっとビビると思います
よって風が強い状況では80km/h、そうでなくても100km/h程度を最高速にした方が良さそうです。
なめくじは基本的に安定走行しているトラック後ろの安全地帯で走っています。
120km/hでテスト走行している方もいますが、110km/h時点で相当ハンドルがブレるので個人的には出したくありません。
参考動画
カーフレーバー様 7:30〜
司令官Consconチャンネル様 3:00〜
とは言え日頃から安全運転を心がけているドライバーであるならば、高速道路を走行すること自体は全く問題ありません。
要は「高速走行をメインにする車ではない」って感じです
それに合流時の加速や常識的な範囲での追い越しに関しても、少なくとも5AGSでは力不足は感じませんし、逆に以前乗っていたミライースや妻のラパンの方がしんどいです。
燃費
- 街乗り:14.5〜15.0km/L
- 高速:18.5km/L前後
燃費はなるべく正確になるよう、ガソリン満タンから次の給油までの消費量とトリップメーターの値から算出しています。
ガソリン満タン法ってやつですね
なお測定条件は、5AGSでMモード、積載は運転手以外に15kg〜80kg程度、空荷時の指定タイヤ圧、エコ運転です。
また街乗り条件では主に、かなり混雑した道路(平均時速15km/h)を走行しています。
※国交省では平均時速20km/hを”混雑する一般道路”として扱っています
街乗り
まずは街乗りですが、14.5〜15.0km/Lという結果になりました。
軽バンとしては良いですが、軽自動車としては物足りない数値ですね
積載重量が変わるなど運転条件に違いがありますが、ある意味リアルな数字としてご理解いただけると思います。
最新の6型5MTではWLTC市街地モードで15.1km/hとなっていますので、かなり健闘していると言えます。
しかしかなり細かいストップアンドゴーをせざるを得ない道路事情があるので、なめくじ的には「妥当」という印象です。
時速50〜60km/hで走れる区間を含む街乗りであれば、もう1〜1.5km/Lほど伸びるのではないでしょうか。
一方でこれは比較的燃費の良い5AGSでの測定値ですので、4ATや4WD車では1〜2km/h、ターボ車であれば更に1km/hは落ちるでしょう。
またエンジンを吹かす運転をしがちであれば、同様に1〜2km/hは落ちると思います。
上記実測値はあくまでエコ運転をした上での結果です
高速
高速走行では、18.5km/L前後という結果となりました。
これはほぼ街乗り無し、80〜100km/h巡航での走行結果となります。
最新の6型5MTではWLTC高速道路モードで17.7km/hとなっていますので、やはりかなり健闘していると言えます。
軽バンの空気抵抗を考えると相当良い燃費です
エブリイのエンジン最大トルクでは一番美味しい速度は5速60〜70km/h程度ですので、郊外の道路巡航メインの方では20km/Lを超えるかもしれません。
静粛性について
エブリイは商用の造りの安い軽貨物車として作られています。
ですので至る所で軋み音が出たり、車内へロードノイズが入ってきます。
またエンジンが運転席直下にあることから、エンジン絡みの駆動音がかなり車内に入ってきます。
さすがに「会話ができない」というレベルではありませんが、乗用車と比べると車内がうるさいのは覚悟すべきです。
そもそも静粛性なんて捨てている仕事車です
もしなるべく車内を静かにしたい場合は、デッドニングが有効です。
デッドニングをしっかりすれば、軽自動車程度の静粛性にはなります。
エブリイのデッドニングについて詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。
暑さ寒さについて
エブリイはグレードに関係なく、とても外気温に影響されやすい車です。
その理由は以下の通りです。
- 断熱材がほぼ無いので車内外の温度が連動している
- 車内スペースが広いためエアコンの効きが悪い
- 車体の表面積が広いので外部の熱の影響を受けやすい
純正状態では「風だけは防げます」という感じです
通常運転時の快適性はもちろんのこと、車中泊を想定している場合も暑さ寒さは問題となります。
よって仕事車ではなく自家用車としてエブリイを快適に使いたい方は、遮熱や断熱加工をすることをおすすめします。
また長時間や高速道路での走行時では運転席下のエンジンがかなり熱くなり、座面を伝わるなどで足元に熱が集中します。
どれくらいかというと、気温7〜10℃程度であれば、一旦足元が温まった後はエアコンが必要無くなるほどです。
このことから純正状態では冬場が比較的快適な反面、夏場の足元〜シート座面の暑さはかなりのものとなるでしょう。
冬の間に断熱したので純正状態での夏の暑さは経験してないです
対策としては断熱施工をしたり、ガンガンにエアコンを使うことが挙げられます。
エアコン常時使用で燃費がガタ落ちしたくない、またはエアコンを速く効かせたい方は、フロントシートの後ろへカーテンを設置しましょう。
なめくじは購入後に全面に及ぶ遮熱断熱+カーテン設置をしましたが、足元の冷え込みやエアコンの効きが驚くほど改善しました。
全面断熱施工はややこしいので、できる人は限られますが…
エブリイを快適に使うためには、可能な範囲で断熱施工することをおすすめします。
エブリイの内装や装備について
エブリイの内装や装備についても紹介します。
まず結論から述べると、商用バンだけあって荷物の積載性や収納性にはとても優れている反面、快適装備には物足りなさを感じます。
収納力
まずダッシュボード周りやドアパネルには複数の収納スペースがあり、普段使いはもちろん商用としても十分な収納力を持っています。
特に前部座席頭上のオーバーヘッドシェルフは非常に使いやすく、エブリイワゴンユーザーが特注で付けたがるのも納得の装備です。
ただし後部座席の収納はほぼありませんので、ご家族での使用を考えている方は収納のカスタムグッズが必要となります。
またエブリイには初めからユーティリティナットという6mmのネジ穴が計12個切られています。
車中泊ユーザーとしてはお馴染みのイレクターパイプを使えば、荷室に変幻自在の収納力を確保できるのも大きな魅力です。
天井にも穴が多数ありますが、利用にはターンナットが必要です
見た目
商用車としては当たり前ですが、内装の見た目は安っぽいです。
安っぽいハードプラやファブリックがふんだんに使われており、これに高級さやお洒落さを感じる方はまずいないと思います。
またエアコンは昔ながらのツマミ式で直感操作に優れている反面、見た目は完全に捨てているという印象です。
エブリイを選ぶ上で純正の見た目を気にする人は少ないでしょうが…
2019.6以降のスズキセーフティサポートが付いている車では、タコメーターが付くなどインジケーターが少しスポーティーな見た目となっています。
しかし逆に言えばそれくらいしか特筆点が無く、見た目にもこだわりたい場合は社外品を取り付けるなどDIYをする必要があります。
ただ車中泊での使用を考えるのであれば何をするにせよDIY必須ですので、ここは割り切ってもいいように感じます。
快適装備
快適装備の充実さはオプションによって左右されるので一概に解説し辛いですが、少なくとも快適に感じる車ではありません。
シートヒーター、クルコン、スマートキー、電動シート調整、電動パーキングなんて当然ありません。
エブリイではステアリング(ハンドルの位置)調整機能もありません。
DIYすれば多少調整できますけどね
フロントシートは座面下にエンジンなどが配置されている関係でシートリフターもありません。
リアシートはJOINも含めてリクライニング機能がありませんので、長時間リアシートに座るシーン(家族4人での旅行など)では疲労が溜まるでしょう。
スパルタンとまでは言いませんがまあ快適とは…
追記)現行の6型で快適装備にかなりのテコ入れが入り、上位グレードには運転席シートヒーター、スマートキー、スライドドアクローザー、チルトステアリング、リアヒーターが導入されました
「無骨な商用車の造りは自分には合わなそう…」と心配な方には、新車にはなりますが6型エブリイのJOINグレードがおすすめです。
安全性について
なめくじは車に携わる仕事をしていませんので、なるべく言及は避けます。
ただ少なくとも、軽自動車の枠を超えるような安全性が無いことは事実です。
衝突安全性についてはNASVAのデータを参照してください。
運転のしやすさについて
エブリイはFR車らしいハンドルの切れ角の大きさから、想像以上に小回りが効く印象があります。
また運転席が高く見切りもいいため、車幅感覚も分かりやすいです。
一方でキャブオーバーのレイアウトなので、小さいトラックを運転するつもりで右左折をする必要があります。
特に左折に癖がありますね
またバンという形状からどうしても後方に死角が多いため、気をつけないとバック時にリアバンパーやバックパネルをぶつけやすいように感じます。
総合して言うと、「運転しやすい部分としにくい部分が混在している車」という印象です。
しかしどの車でもそうですが、車種特有の問題は正直言って慣れるしかないです。
運転初心者向けのボディタイプではないのは事実ですが、運転を怖がっていたら一生乗れません。
足元空間
運転席足元はやや狭めではありますが、身長174cmで細身のなめくじでは特段運転上の不都合は感じませんでした。
しかしタイヤハウスを避ける為にやや左寄りのペダルレイアウトとなっており、体がわずかに左に向いた状態で運転することになります。
よって体格が大きい方や腰痛持ちの方はちょっと辛いかもしれません。
仕事なら割り切れますが自家用車ですとね…
そして助手席の足元はダメです。
ペダルの関係か運転席より足元空間が狭いため、小柄な女性ならまだしも男性だと明らかに窮屈です。
エブリイの5AGSについて
エブリイの中古車を購入しようと考えている方にとって、最も頭を悩ませるのが「4ATと5AGSのどちらを選ぶべきか」でしょう。
ここからはそんな悩みの種である5AGSについて解説していきます。
ちなみになめくじはMT車運転経験がある上で紹介していますので、内容の解釈には注意してください。
4ATは乗ったことが無いから直接比較はできません
5AGSとは
5AGSとは「5速オートギアシフト」の略称で、マニュアル(MT)車のクラッチペダル操作を電動で行ってくれる珍しいトランスミッションです。
同じ自動変速であっても4ATはフルードを介してエンジンからの動力をトランスミッションに伝達しているのに対して、5AGSはMTと同じくエンジン動力を直接トランスミッションに伝達します。
平たく言えば、5AGSは「ATっぽいMT」と表現できます。
なめくじの知識ではこれくらいの説明が限界です
5AGSはAT限定免許でも乗れる
5AGSはクラッチペダル操作が必要ないので、AT限定免許でも運転することが可能です。
よって「複数人で運転するものの、一部の方がAT限定免許しかない」という状況であっても問題はありません。
ですので家族での共有はもちろんのこと、色んな人が運転する仕事場の車としても便利ですね。
またM(マニュアル)モードではなくD(ドライブ)モードであればATの感覚で乗ることが可能です。
エブリイ5AGSの感想はどう?評判は?
さて前情報はこれくらいにして正直レビューをしていきます。
結論から言えば、5AGSはかなりクセがあります。
万人に推奨できるトランスミッションではありません
ネットでの評判を見てみると5AGSの評価は賛否真っ二つに分かれているんですが、実際乗ってみるとそれも納得です。
5AGSへのなめくじの感想をまとめると以下の通りになります。
- 変速(UPもDOWNも)がギクシャクしがち
- 2速発進機能有りでも出だしが遅い
- Mモードをうまく使えば滑らかに走れる
- 軽貨物車らしく積載時の走りはパワフル
- 燃費はそれなり
なめくじは操作感が面白くて好きですが、5AGSがバチっとハマる層はかなり狭い印象です。
さてなめくじが考える5AGSを推奨できる条件は以下の通りです。
- MT派とAT派のユーザーが混在する家庭や仕事環境
- MTでの渋滞クラッチ操作は嫌だけどAT車じゃ手が寂しい
- MT車は乗れないけどなるべく低燃費で運転したい
- 荷物を満載することが多いのでトルクが太い方がいい
- とにかく安い中古車を探したら結果的に5AGSだった
変速ギアと4AT、5MTとの比較
5AGSの変速ギアは当然5速ですが、1速を日常で使うシーンはほぼ無いので、事実上4速仕様と思ってください。
荷物を満載しての坂道発進が多い方は、1速をそれなりに使うかもしれませんが…。
さて各ギア比と実際の乗った感覚を照らし合わせてみましょう。
※ギア比とはギアが1回転するために必要なエンジンの回転数で、数値が高いほど力強くなって速度が出なくなります
変速機付き自転車の1速2速みたいなモンです
下の表は2021.9販売開始の5BD-DA17Vのギア比データの比較です。
ちなみに2016.3以降の5AGS車は2速発進機能が付いています
1速は自転車かな?というくらいしか進まず、2速でもかなりモタつき、3速以降でようやく違和感の無い走りとなるイメージですね。
4AT/5MT/CVTとの比較
なめくじはこれらを運転したことがありませんので推測になりますが、一応比較してみます。
まず4ATについてですが、6型でCVTが出たことで(新車限定ですが)最も要らない子となってしまいました。
CVTと比べると燃費も悪く変速ショックもあり、車両価格以外で選ぶ理由がありません。
しかし中古車市場となると話は別で、CVT的な乗り味を求める方には5AGSよりおすすめです。
また4ATの非力さを補うターボタイプであれば、他のどのトランスミッションにもない運転の快適性が得られそうです。
その代わりメンテの手間が増えるし燃費も悪化しますけどね
5MTはギア比のバランスが一番良く乗用車としても貨物車としても便利に使えそうですが、MT免許が無いと運転できない点で5AGSに劣後します。
5MTのターボはそれなりの燃費と太いトルクを両立しており非常に優秀なはずですが、燃費規制のせいか5型以降で廃止されてしまったので、欲しい方は4型以前で探す必要があります。
しかし6型でCVTのターボが登場したので、状態の良い高額な5MTターボを探すくらいなら新車を買った方がいいかもしれません。
CVTと5AGSだと新車vs中古車になるので比較しにくいですが、基本はCVTをおすすめします。
ただし価格を抑えたい、高積載でもキビキビ走りたい場合は5AGSに分があります。
まとめると、値段が許すならCVTが最優秀、ロマンを求めるなら5MT、CVTっぽさ+コスパなら4AT、マニア向けの5AGSという感じですね。
5AGSのMモードとDモード
5AGS車にはセミマニュアル操作のMモードと自動制御のDモードがありますが、MT派がDモードを使う理由は無いでしょう。
ネットの口コミでは5AGSアリ派の多くは「強めに踏み込んでアクセルオフすれば擬似シフトアップができる」と擁護しています。
しかしそれでは燃費も落ちますし同乗者が酔いやすいし、そもそも最初からMモードで走ればいいだけの話です。
可能な方であれば、ペダルが無いだけのMT車として操作した方が性能を十分引き出せます。
何よりMモードならDモードで起きる昔のAT車のようなシフトショックが出ず快適です。
※Mモードでの快適な運転法についてはコチラ
逆にDモードは運転が簡単という利点はありますが、踏みっぱなしの運転方法ではシフトショックが気になるという欠点もあります。
Dモードで快適に運転するには擬似シフトアップをするか、ギアが切り替わるタイミングを把握して一瞬アクセルオフするかのどちらかを選ぶ必要があります。
ちなみに5AGS車はMモードでもDモードでもエンジン回転数によって自動シフトダウンが働きますので、5MTと違ってエンストすることはありません。
5AGSでエンストしたらそれは故障です
ただし自動シフトダウンは連続で起きるとシフトショックが大きいので一長一短の機能と言えます。
左折時の不満
出足が遅いのと並んで5AGSで不満を持つのは、恐らく左折でしょう。
5AGSの左折では「交差点前の減速→勝手に連続シフトダウンしてロデオ」にイライラさせられると思います。
交差点を安全に曲がれる速度ではだいたい左折途中で2速に落ちるので、コーナー終わりの再加速したいタイミングではクラッチがちょうど切れています。
そして一瞬空吹かてからガックンスタートします
これは左折途中で2速へ手動シフトダウンして対応します。
手が少し忙しいですが、「曲がり始め→手動シフトダウン入力→2速へクラッチ再接続→ちょうど加速タイミング」という感じに調整すれば、美しく曲がれます。
ただしこの操作のタイミングはかなりシビアで、なめくじも完璧にできるのは今だに3、4割程度の難易度です。
ややこしい操作をしたくない方は、曲がり始める前に十分減速して2速まで落としておくと良いでしょう。
ニュートラルの多用
MモードでもDモードでも減速時には自動シフトダウンが起きるので、どうしても連続したシフトショックとエンブレのG変化を感じつつ停止することになります。
当初はMモードで色々試しましたが中々改善しなかったので、思い切ってニュートラル(N)を多用する方向に変えました。
N多用の運転とはつまり、減速時はNに入れてフットブレーキのみで減速→停止するという方法です。
これはMT車を乗っていた時にやっていた運転法ですが、調べたらちゃんと「惰性走行」とか「コースティング」という名称があるみたいなので興味があれば調べてみてください。
さてこの惰性走行をし始めてからは減速時のシフトショックやガクガク感を感じず、滑らかな減速・停止が実現できています。
もしこういう特殊な運転が可能だという方は、本気で5AGSを検討してみる価値があると思います。
ちなみにN→Rはボタンロックがかかっており「力加減を間違えてRまで入ってギアが壊れる」なんてことは起きませんので安心してください。
1回だけ一瞬やらかしましたが、確かエラー音が出て入力が弾かれました
エブリイでの車中泊について
エブリイは広い荷室のおかげで、ちゃんと準備したりDIYすれば快適な車中泊が可能です。
荷室は最大でセミダブルサイズですので、車中泊可能な人数は大人2人または大人1人+幼児2人でしょう。
1人だとだいぶ贅沢にスペースを使えます
なめくじは夫婦二人(175cm+156cm)で車中泊をしていますが、十分な快適性を感じています。
車中泊を始めてからというもの、ホテルを取らず、思いついたタイミングで急に旅行へ行けるので、かなり休日が充実するようになりました。
これは快適に車中泊ができるエブリイを選ぶ大きな利点だと感じています。
実際の車中泊記については、該当記事をお読みくださいね。
またキャンプへ行く時も、「荷物を厳選しないと載せきれない」なんてことがまず起きないのもストレスフリーで助かっています。
1年乗った感想
最初は足回りの硬さやうるささが気になりましたが、デッドニング等の”基礎工事”が終わった今ではほぼ文句はありません。
車中泊やキャンプ時の使い勝手を含め、とても満足しています。
また賛否が分かれる5AGSというトランスミッションにしても、個人的には楽しくかつ快適に運転できています。
ただ、もし純正のままで乗り続ける場合は車検1回=2年が限界だろうな、という感覚もあります。
仕事車として使ってるのなら割り切れますけどね
さて、エブリイは軽自動車と思えない大積載性とカスタムのしやすさが魅力です。
家で例えると、駅近の築古マンションや広めの古戸建を安く買って自分好みにリノベーションするようなタイプの車です。
そういった自分で車を育てていく作業が苦ではない方にとっては、エブリイは最高の相棒になってくれるポテンシャルを秘めているように感じます。
販売されている軽キャンピングカー(バンコン)のほとんどがエブリイベースになっているのも納得ですね。
最後に
なるべく忖度無しにユーザー目線でレビューをしてみました。
本記事の内容が、皆様のエブリイ購入の参考になれば幸いです。
なめくじ自身、軽バンを運転するのは初めてですので他の軽バンと比較することはできません。
プロの方もYoutubeやブログ等で比較情報などを発信されていますので、合わせてご検討いただければと思います。
また5AGSに絞った解説はこちらの記事でまとめていますので、興味がある方は合わせて読んでみてくださいね。
ではまた次の記事でお会いしましょう
今の車の売却もご検討の方は、わずらわしい営業電話が無い下記オークションサービスがお勧めです。