エブリイになんとか可変式2段ベッドを搭載できないか考える記事の第4回です。
第5回ではいよいよ製作に取り掛かります。
部材も買い始めているので、こうなっちゃったからにはもう…ネ。
材料購入
第4回記事でまとめたイレクターパイプ関係の部材は、ヤザキ公式ショップより購入しました。
Amazonや楽天でポイ活しながら購入してもいいですが、マイナーな部材まで買う場合は公式ショップでまとめ買いした方がいいでしょう。
送料はあんま変わらないですし
ちなみにΦ32mmのパイプをカットするのはかなりの重労働なので、カット販売を利用するのも手です。
ただしカット販売では5mmの誤差が許容範囲とされていること、記事内の数字はなめくじエブリイでの参考値であることに留意してください。
さて材料として4,000mmのパイプを購入した場合は、搬入路に注意しなければいけません。
賃貸住まいのなめくじ家では、配達時に初めて玄関口からパイプ搬入できないことが発覚し、ベランダから直接引き込んで事なきを得ました。
2階以上にお住まいの方は、受け取り場所ですぐカットするか、それも無理なら2,000mm以下のカット販売で計画した方がいいと思います。
変更点
以下の図で、交点Jと補強用パイプEについて変更点があります。
本来これらの交点にはJ-118Bを使用するつもりでしたが、収納時の寸法を考え、J59-C(C字の接続パーツ)に変更します。
この変更でパイプF2本と補強用パイプEが外せるようになります
イレクターパイプのカット
第4回までの設計図では、イメージしやすいように端数を切ったり部材そのものの厚みを無視していました。
その設計図通りに製作すると実寸と齟齬が生まれるため、都度修正を入れつつパイプをカットしていきます。
手間は増えますが、心配な方は最初は大きめに切っておくといいですね
Φ32mmパイプ
エブリイの荷室サイズを正確に測定すると、リアゲートからリアシート背もたれまでの最も短い直線区間は930mmです。
そしてこの区間に収納状態での28mmパイプ1本分の厚みが入るため、リア側Φ32mmフレームの最長サイズは900mmであることが分かります。
また650mmとしていたベッド幅ですが、左右のパイプ厚32mm*2=64mmを足して714mmとすると寝返り時にも快適なので、”内径”650mmとします。
高さを算出するには、荷室床から天井までの1,200mmからパイプ厚1本分32mmと天板厚2枚分82mmを除いた長さを2分割する必要があります。
これを計算すると542mmとなるため、ベッド高の内径=パイプ長は550mmとすれば問題なさそうです。
よってΦ32mm側フレームとして必要なカットは長さ900mm(4本)と幅650mm(6本)、そして高さ550mm(4本)となります。
長さ4,000mmのパイプを使う場合は、900mm*4+650mm*6+550mm*4のセットでカットして、余りは1,800mm程度+αとなります。
このΦ32mmのカット作業がキツくて試練です
Φ28mmパイプ
フロント側Φ28mmフレームはリア側Φ32mmフレームに収納しなければいけません。
その点を踏まえると長さの範囲は800mm以上900mm以下となるため、間を取って850mmとします。
ベッド幅の内径は650mm-2mm*2(パイプ径の差分)=646mmなので、それより短い640mmとすればいいでしょう。
高さはΦ32mm側同様の550mm(※)とし、わずかに傾斜がつく場合はバイプ内への詰め物またはアジャスターで調節します。
※厳密には4mm短い546mmです
よってΦ28mm側フレームとして必要なカットは長さ850mm(4本)と幅640mm(4本)、そして高さ550mm(4本)となります。
長さ4,000mmのパイプをうまく組み合わせてカットすると3,450mmの余りが出て自宅保管が大変になるため、素直に850mm*4、640mm*4、550mm*4のセットとします。
可能ならば4,000mm2本と1,200mm1本使用が理想ですね
フロント側の足はメインフレームが完成してから現物合わせでカットしていきます。
イレクターパイプの組み立て
パイプのカットが終了していよいよ楽しい組み立て…と思ったらいきなりトラブルが発生!
なんとΦ32パイプの内部にΦ28パイプが入りません。
慌ててヤザキ公式ショップの説明を見ましたが、やはり文面からはギリギリ入る想定のはず…。
もしやと思い、パイプ断面のわずかな”バリ”をヤスリで研磨して段差を無くしたところ、収納できるようになりました。
パイプを買い直すところだった…危ない
ベッドモード
さて実際にフレームを組み立てたのが以下の画像です。
目の前で見ても寝転んでみても、想像以上にベッド幅(パイプ径込みで730mm)があります。
快適ではありますが、もう30〜50mmほど幅を短くして良かったかもしれません。
天板無しの状態ではありますが、高さ方面での窮屈さも今のところは感じません。
そっと上段に乗ってもみましたが、それなりの耐荷重は感じるもののだいぶグラグラしています。
またフレームの補強材である手前中央のパイプ2本が、下段からの出入りを難しくさせていることにも気づきました。
ギミック付きのフレーム構成は、やはり一筋縄ではいきませんね。
ベッド強度について補足
計画通りにベッドフレームを組んでみると、どうにもフレームの動揺が強く不安です。
パイプの取り回しを色々試しましたが、長方体フレームで安定感を出すためにはやはり頂点は固定させなければいけないという結論に至りました。
よってベッド⇄ソファのモード変更での手間が増えるものの、四隅のジョイントパーツを全て3点接合タイプに変更しました。
後は接着液によってしっかり固定すべきところを固定すれば、かなり安定するのではないかと考えています。
ソファモード
さてこのベッドモードをソファモードにするとこうなります。
………
はい、失敗です。
ベッド幅>>高さにし過ぎたせいで、天板部分をこれ以上畳めません。
こちらに関しては計画を変更し、ソファモードでは天板を一旦完全に取り外してから左側フレームに固定するようなスタイルにします。
その分、背もたれとしての角度が無くなりますが、そこは別に対策を考えます。
あと心配していたリアゲートのダンパーとベッドフレームの干渉ですが、こちらは良い意味で裏切られ、位置を微調整すれば逃し無しで大丈夫なことが判明しました。
収納モード
今度は収納モードにしてみます。
画像は一旦の完成図ですが、ここも簡単には行きませんでした。
想定と違い、リアシートの背もたれとフレームの補助パイプが干渉したため、パイプの位置関係を洗い直しする羽目になりました。
素人の実寸測定には精度の限界があることを痛感させられます。
しかしここで手を抜いて天板を作ると悲惨なことになるのが目に見えているので、根気よく位置修正と実寸測定を延々繰り返します。
もしこの2段ベッドを作られる方は、ここが正念場と思って頑張ってください。
フロント側の足について
28mmフレームのフロント側につける予定だった足(パイプIとJ)の実装は止めました。
なぜなら足部分を付けようとすると、助手席背もたれとフレームが干渉して歪むことが発覚したからです。
かと言って干渉しないように、交点Mを交点J+Nの形で組むと、ベッドが半端なく揺れるようになります。
これもあって四隅を固定することを決断しました
よって買った2個のアジャスターは無用の長物と化しました。
天板作り
フレームの形がある程度できたところで、今度は天板を作ります。
下段天板の位置は”フレームの内側”とすることでベッドフレームとの干渉を避けます。
上段の天板サイズは、フレームがちょうど隠れるように外径を基準としました。
収納モードを考慮して決定した実寸は以下の通りです。
- 上段Φ32mm側:幅730mm×長さ930mm(9mm厚)
- 上段Φ28mm側:幅730mm×長さ720mm(12mm厚)
- 下段Φ32mm側:幅650mm×長さ800mm(9mm厚)
- 下段Φ28mm側:幅650mm×長さ710mm(12mm厚)
カットはホームセンターのカットサービスでお願いしました。
フレームに天板だけ載せた画像が以下の通りです。
正直に言えば土壇場でフレーム構造を変えてから採寸し直すのを忘れていたため、下段の端に合計80mm程度の変な隙間ができてしまっています。
カットし終えてから発覚して激萎えしました…
しかし実はこの隙間が、ソファモードへ移行した時のパイプ置き場としてシンデレラフィットしたので結果論でヨシとします。
今は合板とフレームとの間に段差がありますが、ウレタンスポンジや表面材をつけたら天板に厚みが出て平らになる予定です。
ちなみにガチで作る人へのアドバイスですが、下段の床は”フロント側”が少し盛り上がっているため、フロント側9mm厚+リア側12mm厚にすると合板時点でも平らになります。
これもカット後に載せて発覚しました
上段はしっかり採寸通り気持ちよく収まりました。
最後に
長くなってきたので、一旦ここで区切ります。
机上の空論とはよく言ったもので、実際に手を動かしてみるとハプニングの連続でした。
しかし少しずつですが作業は進んでいますので、楽しんで続けていきたいと思います。
次の記事が終わりになるかは執筆時点で未知数です。
作業が完了した暁には、チャレンジされる方に向けたちゃんとした設計図の記事も別で書こうと考えています。
では引き続きお楽しみに!
ではまた次の記事でお会いしましょう