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どうもなめくじです。
先日車中泊旅行に行った際に寄った奈良・天理ラーメンの元祖である彩華ラーメンが美味しく、そしてとても興味深いものでした。
ということで独立記事として紹介&考察しますので、天理ラーメンや彩華ラーメンが気になる方はどうぞ読んでみてくださいね。
車中泊記事はコチラ
天理ラーメンとは
天理ラーメンは奈良県のご当地ラーメンで、「彩華ラーメン(1968年〜)」が発祥です。
ラーメンとしては白菜・醤油・ピリ辛・ニンニクといった要素で構成されています。
また彩華ラーメンと並んで有名になったチェーン店が「天理スタミナラーメン(1992年〜)」です。
こちらはなめくじと同じ奈良県外の方でも、スーパーでカップ麺などを見たことがあるでしょう。
天理スタミナラーメンが商標登録を取っているため、この系統のラーメンの呼び方は以下の通りです。
- 天理ラーメン:奈良のご当地ラーメン全般
- 彩華ラーメン:天理ラーメンを提供する店の一つ(元祖)
- 天理スタミナラーメン/スタミナラーメン:有限会社なかいの天理ラーメン
やーこしいっすねえ
彩華ラーメンについて
彩華ラーメンは奈良県下に7店舗を構える、(ご当地ラーメンとしては)巨大なチェーン店です。
本店は 〒632-0076 奈良県天理市岩室町91 にあります。
電話番号:0743-63-3165
本店は近鉄天理線「前栽駅」から1.2km、JR線桜井線「天理駅」から2.2kmと少し不便な位置にありますので、車での来店や駅からのタクシー移動推奨です。
徒歩だとそれぞれ15分と30分くらいかかります
私たちが行った時は夕方5時前、10人強で10分待ち程度でしたが、時間帯などによっては1時間ほど待つ場合もあるようです。
彩華ラーメンの味
彩華ラーメンは、昔ながらの鶏ガラ醤油ベースに「豚コマ・白菜・ニラ・ニンニク・辣醤」などの要素を加えて独自の進化を遂げたものです。
その味わいは割と本当にイメージ通りで、「鶏ガラ醤油!白菜!ニンニク!」って感じです。
「シンプルながら飽きがこない」というのは使い古された表現ですが、まさにその通りです。
脂っぽい見た目ですが後味は意外なほどキレがよく、「コッテリ系は苦手」という方でも美味しく食べられます。
その中でもニンニクのパンチを効かせることで健康志向のジャンク感が出ており、ただの醤油ラーメンではない個性が光っています。
健康志向のジャンク感ってなんやねん
麺は「中華そばといえばこれよ!」といった感じの縮れ細麺で、適度にスープと絡むものになっています。
また卓上にはコショウの他、すりおろし生ニンニクと辣醤(塩&唐辛子)が大量に用意されており、好みに応じて味を尖らせることができます。
B級グルメ的な旨さ
まず最初に断っておくと、彩華ラーメンは「名店○◯で修行した気鋭の店主が〜〜」みたいな最前線のラーメンではありません。
地元の人たちに愛されいつのまにか生活や文化の一部と化している、そういう類のラーメンです。
だから彩華ラーメンに行く時は、奈良の市民文化にそっと触れるという感覚も持つと良いと思います。
奈良の人々が育んできた食文化へのリスペクトですね
どの客層でも満足できるラーメン
彩華ラーメンの真の価値・ストロングポイントは「どの客層が来ても満足できるラーメン」を提供していることです。
実際になめくじ夫婦が店を訪れた際も、高校生の連れ同士、男性一人、男性同士、女性同士、若いカップル、老夫婦、2〜3世帯ファミリーとバラエティ豊かな客層でした。
提供メニューも自慢の「サイカラーメン」に細かくトッピングを指定できたり、他に醤油・味噌・塩の各ラーメンや「おこさまセット」さえあったりします。
醤油の強さ・塩分濃度・豚感・脂感もちょうどよく、何か一つでもこれより強くすると家族のうち誰かが脱落するだろうなと思わせる絶妙な匙加減です。
よって、どんなシーン、どんな人間関係であろうと、「今日は彩華に行こう」が成り立つ訳です。
いやー飲食店でこれは強い。
ファミリー層に人気の「どうとんぼり神座」と同じ方向性ですね
彩華ラーメンの味構成と世代ループ
彩華ラーメンは鶏ガラ醤油という、日本人が最も慣れ親しんだラーメンの味をベースにしています。
他の味の方が好きということはあっても、鶏ガラ醤油が「苦手・嫌い」という日本人はおそらくほとんどいないでしょう。
その万人にウケるベースの上にかすかな豚の風味とニンニクで軽めのジャンク感を出し、男性客への訴求力を強めています。
一方で白菜・ニラ・ニンジンなどの多量の野菜でヘルシーさや、意外なほどスッキリとした後味によって女性客へもウィングを広げる。
関係ないですが白菜はクタ気味ってどっかで見ましたがシャキシャキでした
こうすることで夫婦や親の外食機会に彩華ラーメンという選択肢が生まれ、子供がいればその舌に彩華ラーメンの味が刷り込まれていきます。
そうして育った子供がまた大人になり…ということをおそらく繰り返しており、そのループは現在で3世代目、下手したら4世代目に突入しています。
名古屋から全国へ名を響かせたスガキヤは次世代へ食体験が受け継がれるように、あえて子供が多いフードコートを中心に出店していると聞いたことがあります。
そして実際その目論見はまんまと成功し、今でも愛知県民のソウルフードとして広く支持されています。
屋台から始まった彩華ラーメンですが、今ではこのスガキヤと似たような経営戦略を取っているように感じました。
彩華ラーメンの店舗構成
実際に行った本店は、席数80人を超えるかという大箱の店舗であり、それを支える広大な駐車場もあります。
つまり車で移動しがちで人数が多いファミリー層にとっては、とても足が運びやすい店舗と言えます。
案の定、店の駐車場はミニバンだらけです
店舗には最大6人掛けのテーブル席や座敷席が多く用意されており、「ご家族の夕飯にはウチのラーメンをどうぞ」と言わんばかりです。
この店舗構成もまた客層のバラエティを生み、そして世代ループが実現する要因なのでしょう。
また営業時間は夜12時までと、思いがけず夕飯が遅くなってしまった層や、クタクタの仕事帰りに刺激的な一杯を求める社会人のニーズも満たしています。
こうして観察すると、スタミナラーメンという特徴を出しつつも顧客の間口を最大限に広げたクレバーなラーメン屋という実態が見えてきます。
それに学生と思わしきバイトの方も何人かいるので、家族や友人含め彩華ラーメンが自然に生活へ馴染んでいくのも憎いですね。
もはや奈良の人にとっての、無くてはならないラーメン屋というポジションを獲得しています。
見れば見るほど洗練された営業形態です
個人的要望
本当に個人の好みで言えば、トッピングに豚の背脂(二郎風に言えばアブラ)があれば最高でした。
濃い味好きの感想です(異論は認める)
これがあれば更に男性客層を広げることができそうですが、一方で背脂を導入するとチャーシュートッピングと需要を食い合って客単価が下がる気もします。
なんにせよ歴史も実績もばっちりの名店なので、なめくじのような素人が口を挟むような余地はないですね。
おすすめの注文
今回はなめくじが「サイカラーメン大」、奥さんが「サイカラーメン半熟煮玉子入り小」を頼んだ経験からおすすめを紹介します。
初回来店は当然「サイカラーメン」がおすすめですが、大はかなり量が多いので食が細い方にはちょっとしんどいと思います。
なめくじが次に彩華ラーメンに行くのなら、頼むのは「サイカラーメン小+生卵+モモチャーシュー+ライス」でしょうね。
個人的には豚肉の旨みをもう少し目立たせたいのでモモ選択です
そこにすりおろしニンニクを大さじ1杯、辣醤は塩分濃度がきつくなるので無し、好みでコショウ少々 or ラー油をひと回しといった感じにしそうです。
ニンニクはもうちょい入れたいところですが、味のバランスが壊れそうなので大さじ一杯が限度な気はします。
卵のトッピングは半熟と生玉子がありますが、絶対に生の方が合います。
天理スタミナラーメン(天スタ)との比較
後日、天理スタミナラーメン(針テラス店)へ行ってきました。
そこで食べた天理ラーメンは、彩華ラーメンとは似て非なるものでした。
具体的には、天スタの方が白菜のシャキ感が強く、またラー油によってピリ辛さと口当たりの脂っぽさが増しています。
ジャンク感を増した彩華ラーメンからの王道の派生系といった感じで、男性客ウケが上がって、その分の女性ウケが下がった感じです。
奈良出身の男性は、子どもの頃からの食体験があるので別ですよ
全体的に味が強くなっているので、ニンニクはドバドバ入れてもいいです、というか推奨です。
生卵トッピングも味構成が複雑になるのでおすすめです。
総評すると、家の近くに欲しいのは「天理スタミナラーメン」、感動が大きかったのは「彩華ラーメン」って感じでした。
ちなみに奥さんは彩華ラーメンの方が好みだったそうです。
最後に
久しぶりに興奮した食体験だったので、脱線した内容が多くなってしまってすみません。
いやでも本当に、彩華ラーメンは旨いし上手い。
天理ラーメンを食べたことが無い、食べてみたいという方には、まず「彩華ラーメン」を試していただくことをおすすめします。
文化の原点を知り、次に派生である天理スタミナラーメンを始めとした別の天理ラーメンを食べるのが順序として良い気がします。
なめくじも機会があれば次は天スタに行きます
もし彩華ラーメンにハマった方がいれば、店舗ごとの味の違いなんかをチェックしたり全部のメニューを制覇するのも楽しいかもしれませんね。
ではまた次の記事でお会いしましょう