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こんにちは、なめくじです。
私が所有している中古のエブリイは、中古車らしく手を入れなければいけない部分がいくつかあります。
ゆくゆくは車中泊仕様にしていくつもりですが、まずは通常使用で快適な状態になるように整備していきます。
先日スタッドレスタイヤに交換したばかりですので、本記事ではそれに合わせて「エブリイのDIYタイヤ交換」の手順について解説します。
他の車種では細かなポイントが異なりますが大筋の手順については一緒ですので、違う車を持っている方にも参考になる記事内容となっています。
ただし「ホイールの組み替えはしないシンプルな交換法=履き替え」についての内容ですので、その点をご了承ください。
さてエブリイに限った話ではありませんが、タイヤ交換をする時に毎度工賃を払うのが気になる方も多いでしょう。
忙しいと予約とって休日に店に行くのも面倒ですよね
タイヤ交換は一旦工具を揃えてしまえば、基本的に以降は全て自分で行える難しくない作業です。
本格的なものを揃えなければ工具代なんて工賃1〜2年分でペイできますので、意欲のある方はぜひチャレンジしてみましょう。
もちろんちゃんとタイヤを組み付けないと事故に繋がりますので、本記事でしっかり知識を付けてくださいね。
購入したエブリイについて
まずは2022年12月に購入したエブリイについて軽く紹介します。
- スズキ エブリイ HBD-DA17V PCリミテッド ホワイト
- 2018年8月製造(4年落ち)
- 駆動:2WDの5AGS
- 走行距離:約78,000km
- 修復歴なし、内外装ともに大小の傷や凹みあり
- ETC(2015年製 FNK-M09T、ETC2.0未対応)
- カーナビ(2018年製KENWOOD MDV-D305、リアカメラ付)
- 乗り出し71.7万円(車を下取りしたので実質80万円前半)
購入時に新品のサマータイヤに交換済みです
DIYタイヤ交換の安全性について
前提としてですが、現行法では自分の車でも他人の車でもタイヤ交換自体は行って構いません。
ただ、他人の車のタイヤ交換はトラブルの元なので非推奨です
その上でタイヤ交換の安全性について説明します。
タイヤ交換自体はしっかりと知識を付け、正しい装備、正しい工具、正しい使い方をすれば問題になることはありません。
それでも問題が起きるようであればそれはメーカー側の責任です。
さて一般的なDIYでは、「とりあえずやってみよう」という感覚で作業する方も多いでしょう。
しかしことタイヤ交換に関しては、トラブルが人命を左右する事故に直結しますので慎重な作業が必要となります。
不安な方は、カーショップや整備工場などに依頼することをお勧めします
ちなみになめくじは数年前から計4回DIYタイヤ交換を行い、高速含め年間1万km弱ほど走行していますが、特段問題は起きていません。
プロに頼むタイヤ交換工賃
DIY交換とどっちがお得なのか比較するために、プロに頼んだ場合のタイヤ工賃の目安を紹介します。
相場として大雑把に4本で¥5,000〜¥20,000程度は見込みましょう。
ただし持っていく先の店舗、あるいはタイヤが持ち込みか店舗購入かなど色々な要素で工賃は変化します。
先の金額を下回ることは無いでしょうが、上回ることはあり得ると考えてください。
これはあくまでタイヤ交換だけ、いわゆる”履き替え”の工賃です
DIY工具の費用
後述するDIY工具は、一般的な性能のものをまとめて揃えると¥15,000〜¥17,000程度となります。
この費用と工賃、タイヤの履き替え頻度などで比較検討してみてください。
DIYタイヤ交換に必要な工具など
車種ややり方によって多少違いがあるものの、まずは一般的なタイヤ交換に必要な工具を紹介します。
- レンチ
- トルクレンチ
- タイヤ止め
- ジャッキ(ガレージジャッキ推奨)
- リジッドラック
- タイヤ
- ナット
- エアコンプレッサー(+空気圧計)
レンチ類
レンチは外す時など用のレンチ(クロスレンチまたはインパクトレンチ推奨)と本締め用のトルクレンチが必要です。
トルクレンチは適正トルクで締め付け可能なレンチです
外す用のレンチは、車載のものを使っても問題ありません。
ちなみに慣れている方は「手ルクレンチ」などと言って手の感覚で締め具合を判断しますが、安全面を考えちゃんとトルクレンチを使いましょう。
タイヤ止め
タイヤ止め(輪止め)はその名の通り、作業時にタイヤが転がらないようにするための工具です。
エブリイではPレンジ+サイドブレーキを引いても後輪をジャッキアップすると前輪が動く可能性があるので、最低2個は必要です。
マニュアルだろうがFF車だろうが必須です
ジャッキ
ジャッキに関しては車載のパンダグラフジャッキを使っても問題ありませんが、作業効率を上げたいならば油圧式であるガレージジャッキがお勧めです。
前者では1輪ずつの交換になる作業が、後者を使えば2輪同時に行えるようになります。
ただし小型車やローダウンした車では”低床用”じゃないとジャッキポイントまで差し込めない可能性があるので注意してください。
有名な大橋産業の製品では、ミライースのフロントは上げられませんでした
ちなみにエブリイの車載ジャッキはリアシート下の左側カバーを外した中に置かれています。
リジッドラック
リジッドラック(通称:ウマ)はジャッキが不意に外れて車体が落ちてきても作業者の安全を確保したり、車体の損傷を防ぐことを目的とした工具です。
なめくじは正直に言えばリジッドラック無しでタイヤ交換していますが、教科書通りに作業をするなら必要です。
外したタイヤをリジッドラック代わりに仕込んでおくことも多いですが、その状態でジャッキが外れた際は、ホイールやサイドステップなどが損傷する恐れがありますので注意してください。
今後DIYオイル交換などもするつもりなら買っておきましょう
タイヤ
当たり前ですが交換用のタイヤが必要です。
サマータイヤやスタッドレスなどを”ホイール付き”で準備しましょう。
もし別々に準備した場合は、タイヤにホイールを組み付けてバランス調整をするなど難易度の高い作業が必要ですので、素直にプロに任せましょう。
ちなみに最近ではドライ〜雪道までいけるオールシーズンタイヤも人気となっています。
これならタイヤ交換頻度が4〜5年に1回ですので、わざわざ工具を買わずにプロに任せた方が楽で安いと思います。
調べた限りではエブリイ用オールシーズンタイヤはほぼホイール組み替え必須なので、購入の際は注意してください。
製造年式については販売者様にお問合せください
エブリイのタイヤサイズ
エブリイ(DA17V)のタイヤは、純正で以下のような軽貨物用サイズとなります。
- 145/80R12 80/78N (LT)
- 145R12 6PR(LT)
どちらでも構いませんが、新しいタイヤほど①の表記が多くなります
別のタイヤサイズで互換性があるかどうかは、各タイヤメーカーのカタログを参照してください。
ナット
ナットが痛んでいたりドレスアップ用に別のものを使いたい場合は、車種に適合したサイズのホイールナットを用意しましょう。
どのタイヤを買おうがだいたいナットは別売りです
同じ軽自動車だからと違う車種用のものを適当に使うと、最悪走行中にタイヤが外れ大事故に繋がるので絶対にやってはいけません。
エブリイ(DA17V)では「M12 ピッチ1.25 二面幅19mm HEX」が適正なナットサイズとなります。
サイズを間違えないようしっかり確認してから購入しましょう。
カーショップで店員に聞いて購入してもいいでしょう
今使っているナットが問題無いようであれば、交換時に流用することが可能です。
エアコンプレッサー(+空気圧計)
タイヤ装着後に規定空気圧まで上げるためにエアコンプレッサーが必要です。
「車用」とか「軽自動車用」と記載されている製品を選びましょう。
エブリイのバッテリーの電圧は12Vですので、一般に手に入るコンプレッサーは全て問題無く使えるはずです。
そしてパワフルな製品ほど空気を充填する時間が短いですが、比例して駆動音がうるさくなるので注意してください。
必要であれば圧力を微調整可能な機能付きの空気圧計を買うのもありです。
定期的な空気圧チェックにも使えますしね
賃貸でもタイヤ交換はできる?
賃貸であれば賃貸契約に付随して、あるいは単独で駐車場契約をしているはずです。
基本的に駐車場契約では「車両の保管」以外の用途は禁じられていることがほとんどですので、厳密に言えば不可能です。
ただしタイヤ交換は(特に雪国などで)作業の必要性が周囲に理解されやすい為、大目に見てもらえるかもしれません。
しかしタイヤ交換は車両ジャッキアップによる周囲への危険性や空気充填時の騒音など、苦情が出る可能性が十分にある作業です。
もしご心配、あるいはすでに苦情を受けた場合は、作業が可能なガソリンスタンドなどを見つけて行うべきです。
世の中杓子定規ではないですが、周囲への配慮は必要ですよね
エブリイのタイヤ交換手順(ガレージジャッキ)
実際のDIYタイヤ交換の手順を解説します。
他の車種でも手順は同じですが、ジャッキアップポイントを始め各所で細かな違いがありますので注意してください。
あと、なめくじはガレージジャッキで作業していますのでご了承ください。
やる気が出たらパンダグラフ編も作るかもしれません
ホイールナットを緩める
ガレージジャッキを使用する場合は、前輪もしくは後輪を2輪同時にタイヤ交換することが可能です。
交換するタイヤの逆側にタイヤ止めを噛ませた後、まずはホイールナットを緩めましょう。
車載レンチもしくはクロスレンチなどを使って反時計回りにナットを回し、2輪とも外れない程度に緩めます。
ちなみに対角線上の順にナットを緩めた方が外しやすいのでお勧めです。
ちょっと硬いですが、男性なら腕の力だけで十分です
ジャッキアップ
ナットを緩めた次は、以下のポイントでジャッキアップを行います。
正確な場所は以下の写真やエブリイの説明書を参考にしてください。
- フロント:フロントメンバー中央の点と点の間
- リア:デフケースのハウジング直下
パンダグラフとはポイントが違うので注意です
しっかりポイントが確認できたら、数cmタイヤが浮く程度までジャッキアップしてください。
リジッドラックをかける
ジャッキアップできたら、適切な高さに調整したリジッドラックを以下の適正位置にかけます。
この作業は主に作業者の安全確保のために行います。
- フロント:タイヤハウス後方の穴部分
- リア:リアトレーリングアームの前方
フロント側では”穴を避けて”ウマをかけてください
ちなみにタイヤ交換では車体下部に腕や体を入れませんし短時間で終わるので、なめくじは外したタイヤをウマ代わりに置いているだけで作業しています。
しかしさすがにタイヤすらおかずに作業するのは決して推奨しませんし、なめくじも絶対にしません。
もしタイヤなしでジャッキが外れたら車体に致命的なダメージが入る恐れがありますので、必ず何かしらの予防策はしておきましょう。
簡易手順なので、真似する場合は自己責任でお願いします
ナットとタイヤを外す
緩めたナットを全て外し、次いでタイヤを外します。
雑にタイヤを置いてホイールを傷つけないように注意しましょう。
タイヤを装着しナットを仮止めする
目的のタイヤのホイールにハブボルトを通し、なるべくタイヤが斜めになっていない状態でナットを真下→他3本を対角線上順で”手で”締めていきます。
真下のナットからやるとタイヤが倒れてこないので楽です
この手締めの時点で引っ掛かりがあった場合は斜めにナットがかかっているので、一旦外してリトライしてください。
なるべくナットは4本均等に少しずつ締めていき、手で回らないくらいもしくは最後にレンチで10°程度回すくらいで仮止めします。
ジャッキアップしてるとタイヤが空転するので本締めは無理です
タイヤを接地させてナットを本締めする
仮止めできたらジャッキを下ろしタイヤが接地した状態で、対角線上のナットを交互に締めていきます。
かませたウマやタイヤは事前に外してください
エブリイDA17Vではホイールナットの規定トルクが85N・mですので、トルクレンチで設定した上で本締めします。
他の車種ではネットで調べて規定トルクを確認してください。
トルクレンチの種類によりますが、規定トルクまで到達するとカチャっと音がしたりピーっとなったりします。
足締めや手ルク締めは、特に未経験者は絶対にやってはいけません
ちなみに使い終わったトルクレンチの目盛りはゼロN・mに戻しておいた方が、内部のバネの精度を長期間保てます。
タイヤの空気圧を調整する
最後にタイヤの空気圧調整をしなければいけません。
もし購入したタイヤが「空気圧調整済み」となっている場合はしなくても大丈夫と言えば大丈夫です。
ただエブリイでは高積載での空気圧になっているので調整推奨です
手順としてはまず車のエンジンをかけて、エアコンプレッサーを接続します。
コンプレッサーの先をタイヤのエアバルブに接続し、コンプレッサーのスイッチを入れます。
想像以上にうるさい音を響かせながら徐々に空気圧の目盛りが上がっていきますので、規定圧まで調整しましょう。
- 軽積載時:フロント240kPa、リア260kPa
- 定積載時:フロント280kPa、リア350kPa
「定積載」は荷物満載状態が多い仕事用です
あえて純正とは違うサイズのタイヤを使っていたりスペアタイヤを使う場合は、指定空気圧が変わりますので注意してください。
燃費向上のため指定空気圧より高く入れたい方は、ちゃんとタイヤの特性変化を調べた上で自己責任で実施してください。
なめくじは滑って事故ると嫌なので規定圧でやっています
逆に交換先のタイヤ空気圧がすでにかなり高い場合は、エアバルブを押して空気を抜いたり空気圧計を使ったりしながら落としてください。
ちなみにタイヤ交換後の空気圧チェックは月に1回程度が推奨されています。
タイヤ止めを外す
意外と忘れがちですが、使ったタイヤ止めはちゃんと回収しておいてください。
増し締めについて
一般的にタイヤ交換後100km程度走った後は、再度ナットを規定トルクで締め直すこと=増し締めが推奨されます。
特に未使用タイヤと交換した際は緩みが起きやすいので、なるべく行いましょう。
新品スタッドレスに変えて、後日確認したらフロント2輪がちょっと緩んでました
ちなみに増し締めという言葉が慣用的に使われますが、「規定トルクを超えて締める」という意味ではないので誤解しないようにしましょう。
番外編①:タイヤの保管について
タイヤ交換とは少しズレますが、タイヤの保管の仕方について説明します。
外したタイヤは適切に保管していないと、劣化が進んだりひび割れの原因となったりします。
参考までに適切なタイヤ保管方法をいくつか紹介します。
外したタイヤの汚れを落とす
タイヤやホイールについた汚れを水洗い程度で簡単に落として乾燥させておくと良いでしょう。
汚れをそのままにしておくとタイヤの痛みやホイールのサビに繋がります。
なめくじは融雪剤や多量の汚れが付いた時は落としています
タイヤの空気を抜いておく
タイヤはゴムで出来ていますので、高圧力をかけ続けるとヒビ割れの原因となります。
ホイールごと保管するスタイルでは、指定空気圧の半分程度を目安にエアバルブを押して空気を抜いておきましょう。
確認の際には空気圧計があると便利です。
抜きすぎると逆にゴムの変形を招くので注意です
屋内か日陰に保管する
ゴムは紫外線や高湿度でも劣化が進むので、直射日光が当たらない屋内や風通しの良い日陰に保管しましょう。
どうしても陽の当たる外で保管せざるを得ない場合は必ずタイヤカバーを付け、それを時々は外して湿気を抜いておきましょう。
なめくじは限界を超えてタイヤを使わないので屋内保管だけしています
平積みする
タイヤ保管には縦積みと平積みの方法がありますが、基本的には平積み推奨です。
ホイールごと縦積みしておくと自重で徐々にゴムが楕円に変形し、走行時のガタつきに繋がります。
厳密に言えば平積みかつ定期的に積み順をローテするのが理想ですが、よほど神経質に保管したいタイヤでなければそこまではしなくていいでしょう。
なめくじは安いタイヤ使っているしで特にローテしていません
注意点:ゴムの耐用年数を覚える
ゴムはその弾性を利用して車のパーツとして使われます。
しかしどんなに綺麗に保管しようとゴム弾性の経年劣化は避けることができません。
一般にタイヤゴムの耐用年数は4〜5年とされています。
もしそれ以上の年数で使いたい場合は、安全確保のため定期的に硬度計で問題ないかどうかチェックしましょう。
例えバリ溝でもカチカチならタイヤ本来の安全性能を発揮できません
ちなみにこれは、車に多数使われるゴムパッキンやブッシュ類にも同様のことが言えます。
これらの部品が劣化して亀裂が入ると、大切な各種オイル類が漏れ出し故障に繋がるなど車の寿命を縮めますので、自動車整備士に交換を推奨されたら従いましょう。
番外編②:タイヤローテーションについて
運転時などでタイヤにかかる圧力は、前輪後輪あるいは左右で常に差があります。
それに従いタイヤの減り方も4輪とも微妙に変わりますので、定期的にタイヤをローテーションして交換することが推奨されます。
よほど特殊なことをしていない限りは半年〜1年に1回程度で構いませんので、スタッドレスタイヤへの交換時などでタイヤをローテーションしておきましょう。
基本の推奨方法は前輪後輪・左右を全てクロスするような形での交換です。
この作業により、タイヤ摩耗を均等化し性能低下を最小限に抑えることが可能となります。
4WDでもトラクションのかかりが不均一なので推奨です
最後に
いかがだったでしょうか。
本記事では「DIYタイヤ交換」を、エブリイDA17Vを例に取りながら解説しました。
DIYタイヤ交換ができるようになれば、いつでも好きなタイミングで、割安に繰り返し行えます。
なおかつタイヤ交換は車DIYの入門編とも言われるほど難易度の低い作業です。
しかしながらタイヤは車の安全性能に直結する装備ですので、適当に作業するのは推奨しません。
安全への投資とキッパリと割り切ってプロに頼むか、しっかりと知識と工具を揃えDIY交換するか、どちらかで考えてみてくださいね。
ではまた次の記事でお会いしましょう