久しぶりにエブリイの運転記事の続きです。
今回は需要がほぼ無いであろう5AGSでの手動シフトダウンを攻略する記事です。
手動シフトダウンが最低限できるようになったなめくじでさえ、「日常でこの運転技術いる?」と思っているので、ヒマな方だけ読み進めてください。
エブリイ5AGSの手動シフトダウンとは
エブリイではDモードでもMモードでも、エンストしないように自動シフトダウン機能が備わっています。
しかし減速→停車時の連続自動シフトダウンはゴツゴツとしたシフトショックを乗員に与え、乗り心地が悪化します。
ゆっくり定減速すればショックはほぼ出ないですが、そのような交通状況はあまり無いというのが正直なところです。
そこで手動シフトダウンの操作を習熟して、シフトショックを伴わない綺麗なシフトダウンを目指そうというのがこの記事の趣旨となります。
手動シフトダウンを攻略するメリット
手動シフトダウンが自在にできるようになると、以下のようなメリットがあります。
- シフトショックがちょっとだけ減る
- 減速からの再加速がスムーズになる
- 左折時のぎこちなさが改善する
- なんか手が忙しくて楽しい
1と2については「綺麗な手動シフトダウン>自動シフトダウン>下手な手動シフトダウン」の順です。
3のぎこちなさについてはエブリイ5AGSの最も大きい弱点(個人の感想です)なので、左折に不満が大きい方には攻略する価値があるかもしれません。
4はMT好きの戯言です。
手動シフトダウンの特性
手動シフトダウンには以下の特性があります。
- エンジンとギアの回転数が合わないと自動ブリッピングが起きる
- あまりに回転数が合わないと入力が拒否される
- 自動シフトダウンが始まると一定時間入力不可能になる
エンジンとギア回転数が合わないと自動ブリッピングが起きる
ある条件下やタイミング次第では、手動シフトダウン時に自動ブリッピング(※)が起きます。
※エンジン回転数とダウン先のギア回転数の差を減らすために空ぶかしするアクセル操作
ブリッピングにはシフトショックを減らしたり内部の機構を保護する大事な役割があります。
しかし急にエンジンが唸り出すので、ブリッピングを知らない同乗者は驚いてしまいます。
車が壊れた?!って思うみたいです
快適な運転方法という前提の記事なので、自動ブリッピングを起こさないことも攻略の目標とします。
あまりに回転数が合わないと入力が拒否される
よほど起きませんが、高速走行中の下り坂などで5速から3速に落とそうとすると、警告音が鳴って入力が拒否されます。
これは自動ブリッピングでカバーできる回転差ではない or レブリミットに引っかかるのでエラーになると考えられます。
市街地走行の回転数で2段一気に落とす程度では起きませんので、あまり気にする必要のない特性です。
自動シフトダウンが始まると一定時間入力不可能になる
後述しますが自動シフトダウンと手動シフトダウンしたいタイミングはかなり似ています。
よって最適タイミングに遅れると自動シフトダウンが先に始まり、コンマ何秒かは手動シフトダウンが入力されなくなります。
遅れが大きくて手動シフトダウンが入力されたとしても、2段一気にギアが落ちてシフトショックと急な減速Gが発生します。
よって自動シフトダウンへわずかに先行して入力するのが肝要です。
しかしこのフレーム単位の操作感に対して得られるメリット(シフトショック軽減)が割に合わないため、手動シフトダウンの習熟は暇人用ということになります。
自動シフトアップと比べると自動シフトダウンは優秀ですし
手動シフトダウンのタイミング
前置きが終了したので適切な手動シフトダウンのタイミングを記載します。
※数字は全てメーター読み
※()内は自動シフトダウン発生速度
- 5速→4速:36km/h程度(32km/h)
- 4速→3速:24km/h程度(22km/h)
- 3速→2速:16km/h程度(12km/h)
- 2速→1速:やる意味なし
しかしエンブレのみで長距離減速するシーン以外では、速度メーターを見ながらタイミングを判断する余裕はありません。
周りの景色の流れ方から走行速度がある程度感覚で分かるように訓練しつつ、シフトダウンのタイミングを体に染み込ませてください。
シフトアップと違いエンジン音には頼れません
習熟のコツ
なめくじが今まで解説した運転方法ができるような方なら、おおむね3ヶ月程度の期間くらいで自在に手動シフトダウンできるようになると思います。
※毎日街中を数10km走るような方なら1ヶ月
なるべく早く習熟するには以下のコツを参考にしてください。
- 自動シフトダウンが起きないように心がける
- 自動シフトダウンのコンマ数秒前を狙う
- ブレーキの踏力は一定にする
- 連続で落とす時は「ポンポンッポン」
- 下り坂はイージー、上り坂は高難度
- 微妙な速度ではあえて手動シフトダウンしない
補足①:ブレーキの踏力は一定にする
ブレーキの踏力を一定にするのは、あくまでシフトダウンのタイミングを覚えやすくするためだけです。
実際の交通状況では前走車が急ブレーキをかけたりしますので、踏力を一定にできるタイミングは限られます。
それに本当はギア段数に合わせて踏力を変化させた方が、減速Gが一定になって快適です。
当然ですが、ブレーキ踏力の調整は追突しないような余裕がある状況で練習してくださいね。
しんどい時は自動シフトダウンにお任せ
補足②:連続で落とす時は「ポンポンッポン」
手動シフトダウンのタイミングは5速→4速、4速→3速は割と連続的ですが、3速→2速だけが離れています。
よって、5速から停車するまで一気にシフトダウンする場合は、3速→2速の時だけ半呼吸分開けて操作してください。
補足③:下り坂はイージー、上り坂は高難度
下り坂は重力加速によってギア回転数が落ちにくいため、雑に操作しても自動ブリッピングが起きにくい傾向にあります。
逆に上り坂はかなりシビアで、前述の速度より4km/h程度上を狙ってシフトダウンしないと簡単に自動ブリッピングが発生します。
そして4速からから一気に2速まで落とすイメージで操作した方がスムーズです。
上り坂でブリッピングを起こさずに停車まで持っていけたら、5AGSの手動シフトダウンをマスターしたと胸を張っていいでしょう。
余談
なめくじの自宅前は上り坂が続いており、3速巡行後の急傾斜地点で2速へ落とす必要があります。
このシフトダウン操作が訳が分からないほどシビアで、実速度が数km/h(メーターは参考になりません)となる僅かな瞬間で2速へ落とさないとブリッピングが起きます。
急な登坂の攻略でお悩みの方は「アクセルオフで加速度がゼロになる瞬間」を狙ってシフトダウンしてください。
補足④:微妙な速度ではあえて手動シフトダウンしない
例えば4速で20km/hちょいのようなエンストギリギリの回転数で巡行している場合、なぜか自動シフトダウンではスムーズに落ちて手動シフトダウンではブリッピングが起きます。
そういう制御なんでしょうね
ブリッピングを起こさないことを習熟目的の一つとするならば、タイミングを外してしまった微妙な速度ではあえて手動シフトダウンを避けるのも手です。
ギリギリから再加速する場合はトルクが足りなかったり燃費が悪化したりしますが、そのままのギア段数を維持した方が乗り心地としてはスムーズです。
こんなんやってられるかという方へ
手動シフトダウンを頑張るより、踏力変化を含むブレーキングの技術を磨いた方が、分かりやすく乗り心地が改善します。
ブレーキングの詳細については、こちらの記事を参照してください。
手動シフトダウンとコースティングはどっちがいい?
停車に関してはどんなにうまく操作しようとも、乗り心地としては絶対にコースティングの方が上です。
ただし目前の赤信号が青に変わったなどの「停車寸前で再加速が始まるであろうシーン」のみ手動シフトダウンに軍配が上がります。
最後に
最後まで見ていただきありがとうございます。
こんなマイナーな内容に興味がある方は、結末がどうあれ実際に自分で試してみないと気が済まないタチでしょうから、ぜひ挑戦してみてください。
そして手動シフトダウンを無事マスターしたらこう思うでしょう。
「そりゃ人にすすめん訳だわ」と。
ではまた次の記事でお会いしましょう