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こんにちは、なめくじです。
本記事ではTOKYO CRAFTSさんのウィングフォート(オプション品のTPUウィンドウ)を初張りした結果をレビューします。
忖度とか関係ない立場の弱小ブロガーの正直レビューなので、購入をご検討中の方はチェックしてみてくださいね。
結論
- 製品の出来はかなり良くお勧め
- 人によってはやや持て余すかも
- 初回設営は結構しんどかった

良かった点
広い!

本体サイズは300cm×600cmなのですが、実際に見るとまず有効な内部空間の広さに驚きます。
フルクローズでも多人数での使用に耐えうるレベルですし、アウターを跳ね上げすると数字以上の広さを体感できると思います。
高さも最大で210cmあるおかげで幕内でも屈まず移動できて快適です。
なめくじはTPUウィンドウを接続して設営しましたが、一般的なTPUオプションと違い内部が拡張される仕様ですのでお篭り状態でも十分過ぎる広さを感じます。
というかコンパクトなキャンプに慣れた方だと広さを持て余すレベルです。
またTPUウィンドウに拡張部があるおかげでテーブルと椅子をレイアウトしても幕内の動線が効率的で良いですね。

これで2個使いしたらどうなっちゃうのって感じです。

広さって本当に正義
もちろんTPUがなくてもファミリーテントとして十分な広さなのでご安心を。
カッコいい!

ウィングフォートは遠目から見ても、明らかに洗練されたデザインが分かって所有欲が満たされます。
まるで買いたての車を眺めてニンマリするような。
約10万円の幕なのでこういう要素も大事だと思います。

まさに言語化できない満足感
もちろんカッコいいだけじゃなく、生地もリップストップで高品質なのは嬉しいポイントです。
自由度が高い!
ウィングフォートはアレンジ力が高いので状況に合わせた最適解を選べます。
例えば今回使った日は雨が降ったり止んだりでしたので、天気に合わせてアウターパネルを開けたり閉めたり。
ガスを使う時に換気を強くしたい時にはパネル上の1/10だけメッシュにしてみたり。
また左右対称な構造なゆえにサイトの形や傾斜に合わせたレイアウトの自由度が極めて高いです。
随所に「ここまでできたら文句ねえやろ」という設計思想が感じられて、なめくじはすごく気に入りました。
TPUはお篭りキャンプに最高!

TPUウィンドウは幕内の広さを拡張する他にも、視覚的な開放感が上がるメリットがあります。
また後述しますがウィングフォートは幕内が暗いので、雨風や寒さを防ぎつつ採光できるTPUはお篭りキャンプとしては大切なパーツです。

もちろん景色を楽しめるのも大きいですね
TPUの皺については、初回使用だからか肉眼では全然気になりませんでした。
付属ペグが高品質
付属ペグは低品質というのがテントあるあるですが、ウィングフォートはしっかりした幕用ペグが同梱されています。
スチールなので錆びやすくて重い欠点はあるものの、標準装備品としては十分頑張っています。
一方でストームロープ用のペグはコストカット感があるので、強風サイトやペグが効きにくいサイトでは自前ペグを8本以上用意した方が安心です。
結露が少ない
サブ用にシングルウォールのポップアップテントも持っていったのですが、明らかにウィングフォートの方は結露が少なかったです。

換気能力の差?広さのおかげ?
幕内を動く時に顔や体へ水滴が当たってヒヤってなるのは地味にストレスなので、結露が少ないのは嬉しいポイントです。
幕内ループが多い
幕内には多数の吊り下げ用ループが用意されており(一部はインナーテントにも使用)、ライトを吊り下げる場所に事欠きません。
デイジーチェーンを活用すれば、より拡張された使い勝手になると思います。
またインナーテント内にも2ヶ所のループがあるため、就寝時のライト使用も問題ありません。
悪かった点
ポールが硬すぎ
2回目以降は楽になるようですが、少なくとも初回設営時ではポールが硬すぎて難儀しました。
7,000番台アルミ合金の宿命かもしれませんが、折れるんじゃないかと心配なくらい力を込めて曲げながら設営するため女性のみの設営は厳しいです。

初張りでは男性を連れていきましょう
ポール接続ピンが微妙
ポールを幕本体へ固定するための接続ピンがあるのですが、使い辛いわ指が危ないわ内部へ土がめっちゃ入るわで別の機構にして欲しかったのが本音です。
ポール強度を担保するためあえての選択な気もしますが、「何とかならんのかコレ」という感じ。
帆布縫製の甘さ
メインポールを差し込むスリーブには帆布があるのですが、どう見ても縫製が甘いです。
過去に安物テントで縫製が甘い帆布箇所が崩壊した経験があるので、帆布へのストレスが強そうなら何かしら補強を加えようと思います。

ここは唯一レベルで完成度自体が低い箇所でした
デザインとユーザビリティ
アーバンでカッコいいブランドカラーのおかげでUXが悪化していたポイントや、設計思想がゆえに困るポイントがありました。
まずポールの差し込み口とポールカラーの使い分けです。
ポールカラーと差し込み口を色分けすることで分かりやすいという設計思想自体は良いのですが、いかんせん黒とグレーという無彩色のせいであまり意味を為していません。
ビビッドな色の方が視認性が上がるのは重々承知だけど、ブランドイメージから外れるから採用できないというデザイナーの苦悩が透けて見えますね。
この色問題は幕とインナーテントの裏表やポールの接続ピンが分かり辛いことにも繋がっています。
次は幕内の暗さです。
メインカラーがダークブルーかつ天井部の遮光性が高いのも相まって、アウターパネルを閉じると昼間でも幕内が暗く鬱蒼とした空間になっています。
メッシュも黒なので、仮にパネルをメッシュ状態にしてもそこまで明るくなりません。
インナーテントも同様で、昼間ですらライトが無いと内部の構造が視認できないレベルです。

「色数を抑えスタイリッシュにしつつ夏の暑さを抑える」という目的は分かるのですが、秋冬キャンプでは(TPUウィンドウを併用しないと)幕内の寒さと暗さが気になります。
3点目はダークカラー基調なので、(特にスカートの)泥汚れが目立ちやすいことです。
そして最後は、とにかく細かなパーツを増やして自由度をあげているがゆえに、キャンプスタイルが固まっていないライトユーザーには何が正解か分からない不安を持つだろう点です。
本体だけで約10万円の幕ですので、ライトユーザーからしたら「高い割にはなんか使いにくいね」という印象を受けるかもしれません。

iPhoneじゃなくて高級Android機種みたいな?伝わらないね
雨の吹き込み
TPUウィンドウ使用時に限りますが、構造上どうしても多少の雨の吹き込みや幕内への雨漏りが発生します。

実際に荷物が被弾しました
公式動画ではなるべくそうならないようなTPUの張り方も提案されていますが、100%防げる訳ではありません。
インナーテントの開き方
インナーテントが「コの字型」に開くようにデザインされています。
理想は(複数名での就寝を想定した幕なので)トイレに行く際に隣の人を踏みつける心配のない、左右対称に開けるU字のようなデザインだと嬉しかったです。
あと薄暗くても見えやすいようにジッパーのツマミに蛍光処理するとか。
コの字なのはなんか理由があるんでしょうけどね、ちょっとストレス。
収納袋が小さい
これはどのメーカーに対しても疑問なのですが、なんで幕の収納袋ってあんなキツキツにするんですかね?
重さやコストなんて大して変わらないんだし生地に余裕持たせればいいのにと毎回思います。
一旦全部広げてから畳まないと収納できないので、地面が濡れている時の撤収なんかは泥汚れがかなりついてしまいます。
幕自体が巨大なのでとりあえずゴミ袋に入れて撤収という手も取れません。
設営難易度について
デメリットを見ると設営できるか心配になった方がいると思いますので、設営難易度についてもまとめておきます。
2ルームテント設営に慣れていないなめくじ夫婦は、正直に言ってかなり時間がかかりました。

ポールが硬かったのも原因の一つ
ただ1回設営してだいたい手順は把握できたので、今後の設営(TPU、インナーテント込み)は2人で30分以内を目標にするイメージです。
幕の構造自体はスタンダードなものなので、トンネルテント設営をご経験の方なら比較的簡単だと思います。
ビルディングテープもしっかり装備されていますので、折角立てたテントが歪んでいたなんてことも少ないでしょう。
ただしTPUウィンドウだけは特殊な造りなので、初回接続時は手間取ると思います。
季節別の評価(予想含む)
春・秋
日中暑く夜は肌寒い春や秋は、風の通りや幕内の温度管理など、状況に合わせた調節ができるウィングフォートが最も活躍できる季節でしょう。
夏
あらゆる場所に配置されているメッシュにより、十分過ぎる通気性が確保できます。
そしてメッシュを解放しつつもアウターパネルの調節でプライバシーを確保しやすい点は、ウィングフォートならではのメリットです。
また全体的に暗い色調の幕や210Dで遮光能力が高い天井生地の効果で、夏でも涼しく過ごせる幕の一つだと思います。
冬
機能を夏寄りに振っている分、冬キャンプはやや苦手だろう印象があります。
広くて暗い幕内空間は、その分だけ強い熱源と多数の光源が必要です。

薪スト使用は自己責任でどうぞ
また寒さ対策でパネルを締め切ったお篭り状態にすると開放感に欠けると思います。
一方でオプションのTPUウィンドウを使えば寒さを防ぎつつ昼間の光量と視覚的な開放感を得られますので、冬キャンプメインの方ならTPUは必須レベルの装備でしょう。

今後の課題と方針
なめくじの場合においては、今後オプションとして実装される専用リビングシートを手に入れようと考えています。
これは我々が今後小型犬とともにキャンプをするゆえに、お座敷スタイルの方が都合良いというだけで必須という話ではありません。
折角だから自分たちに合うカスタマイズをして、徹底的に使い倒してやろうという発想です。
また1回目のキャンプでは荷物が多く設営に時間を喰った割にはウィングフォートの良さを十分活かし切れなかったので、この幕に最適化したギア構成をしようと思っています。

まずは暖房と光源を新調しないと…
ウィングフォートはお勧めできるのか?
さて現時点では1回使っただけですが、それでも、ウィングフォートは製品としての完成度が極めて高く自信を持っておすすめできる幕と感じています。
さすがにソロの方や初心者クラスのライトキャンパーにはあまり向かないでしょうが…。
何回かキャンプを経験しキャンプギアも一通り揃え、自身がキャンプに求めるものが分かってきている方が、いよいよミドルクラス以上の良質な幕に手を出す。
こういうパターンでのウィングフォート購入はコスパが良く、そして十分な使い勝手と満足度が得られるでしょう。
やる気に満ち溢れている方は、TPUとグランドシートとキャノピーポールがまとめられたコンプリートセットで注文するのもお勧めです。

そのために本記事が役立ったら光栄です。

ではまた次の記事でお会いしましょう
